英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

SPD提案

 雨はあがった。日銀短観で、大企業製造業の景況判断は1年9ヶ月ぶりの悪化となった。さもありなん。

 ドイツの野党であるSPDが、欧州の債務危機をめぐり、共通ユーロ債の発行を限定的に認めるようメルケル首相に求めている。さらに、債務調整の際に、債券保有者に「合理的な範囲での負担」(intelligent haircut)を提案している。
 http://www.ft.com/cms/s/0/c29583a6-07c1-11e0-a568-00144feabdc0.html#axzz188GJDDn8
 EU首脳は木曜日に集まり、次に打つ手について協議する。
 また、欧州は、統一体として来月に初めて、債券を発行する。ユーロ金融安定ファシリティが50億から80億ユーロの債券を発行するのだ。
 こうした債券発行を支えるための政治的な統合、というアイデアは、賃金や福祉政策、法人税などについて共通の最低基準を含んでいる。
 
 マーケット概況から。
 http://www.ft.com/cms/s/0/58e6ac7a-0666-11e0-976b-00144feabdc0.html#axzz188JRXbZL
 米FOMCは、QEプログラムについて、一層強い表現を付け加えることはなかった。結果、債券金利は上昇。株式や原油は下落した。中国は利上げ、米国のブッシュ減税は継続されることになった。
 http://www.ft.com/cms/s/0/6ec16d7e-07b4-11e0-a568-00144feabdc0.html#axzz188KPNWKg
 http://www.ft.com/cms/s/0/248ad62a-07a8-11e0-a568-00144feabdc0.html#axzz188KuH6ev
 http://www.ft.com/cms/s/0/7dc842a4-07b2-11e0-a568-00144feabdc0.html#axzz188KyPeDt
 経済に対する期待の高まりから、10年米国債金利は3.4%まで上昇した。5月以来のこと。30年債は4.55%に達している。
 ドルはユーロに対して若干戻している。金利高がドルを支える呼応図だ。しかし、ドル高は株式や商品にとっては良いニュースではない。 

 上記引用の通り、Fedは昨日のFOMCで政策金利の現状維持と6000億ドルの資産購入計画の継続を決めた。米国経済の評価は若干上方修正した。
 家計消費はゆっくりしたペースで改善している。11月は「gradually」だったが、今回は「at a moderate pace」となった。失業率を引き下げるほど十分ではないが、米国経済の回復は続いているという。
 今回の声明から読み取れるのは、Fedは来年の財政の見通しとQEの効果について、もう少し情報を必要としていることだ。インフレ圧力は強くないし、労働市場の改善はまだまだだ。
 小売売り上げは事前予想より強い数字が出た。
 オバマ大統領と共和党との間で結ばれた減税に関する合意は、2011年の成長を後押しする。この減税は、Fedの資産買い取り計画に影響を与える可能性がある。
 しかし、経済指標の好調や減税提案は、欧州債務危機で相殺されている。結果、ドルは高くなり、債権金利は上昇している。
 昨日のFOMCでは、カンザスシティ連銀のホーニグ総裁が反対票を投じた。