英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

FOMC議事録

 天気は曇り。一週間があっという間に過ぎる。年末に向け、早くもいろんな行事が動き出している。

 9月のFOMC議事録が公開された。マーケット概況から。
 http://www.ft.com/cms/s/0/6bb787d2-d4db-11df-b230-00144feabdc0.html
 世界の株価は4月以来のレベルに回復。各市場とも軒並み上昇した。金価格も記録を更新して上昇した。
 FOMCの過半数のメンバーは、より緩和的な金融政策がすぐに(before long)必要である、という認識だった。すなわち、QE2として知られる戦略だ。
 インテルやCSXなどの予想以上に良い決算も市場のムードを押し上げた。JPモルガン・チェースは好決算だったが、不動産融資関連の損失に関し、銀行セクターへの懸念が高まっている。投資家の不安心理を示すVIX指数は下がっている。
 口先の軽い小競り合いが続いている国際的な通貨戦争について、投資家は目を凝らしている。日本と韓国との間では、韓国がウォン安に誘導しているとして論争が起きている。
 IMF総会があったので、恐る恐る介入していたが、今や日銀の本格介入が懸念される、と通貨のストラテジストは言う。
 9月の貿易黒字が5ヶ月ぶりの低水準となったことは、人民元切り上げプレッシャーを抑える効果がありそうだ。
 債券相場は、10年もの米国債が水曜日に210億ドル売り出されたが、イールドは2.475%。需要は過去10回の入札平均より低かった。
 ユーロ圏周縁国の債券は改善している。ギリシャの10年国際金利は8.68%となり、過去4ヶ月で初めて9%を下回った。

 その通貨戦争関連の記事はこちら。http://www.ft.com/cms/s/0/f6a51674-d676-11df-81f0-00144feabdc0.html
 ソウルのG20サミットを前にして、日本が中国と韓国に対し、責任ある為替相場の運営をするよう求めている。
 米中間では、米国が中国に人民元切り上げを求める一方、中国は米国の金融緩和が新興国市場に市場を不安定化させる資金が流入しているとしてを批判している。
 タイは今週、タイの債券を外国人が購入する際の課税を強化することでホットマネーの流入を規制する手段を導入した。
 中国の外貨準備高は、第3四半期に1940億ドル増加し、2兆6500億ドルに達している。
 一方、日本はこれまで韓国について公に言及してこなかった。2008年のリーマンショック以降、円はドルに対して29%増価した。一方、韓国ウォンは、1.2%対ドルで弱くなり、円に対しては23%弱くなった。
 韓国中銀は、ウォンの減価に積極的だという。
 韓国側は日本の主張に対し、中国の為替政策とリンクさせることに困惑している。

 FOMC議事録に関する記事。
 http://www.ft.com/cms/s/0/54d35d6a-d62b-11df-81f0-00144feabdc0.html
 米国がQEを間もなく発動する可能性が高まってきた。ここでも、経済状態が改善しなければ、「before long」に行動するかもしれない、との言及がある。
 問題は、その金融緩和の手段だが、大規模な長期米国債の買取がメインの手段として考えられている。買い取りによってインフレ期待を高め、経済を刺激する。
 市場と政策意図をコミュニケーションするために、より明確なインフレ目標と成長の数値を示すべきだという意見もある。具体的な債券買い取りの規模についての言及はなかった。

 マネーサプライより。
 http://blogs.ft.com/money-supply/2010/10/13/in-search-of-new-policies-for-americas-worst-off/
 今回の金融危機は、米国内の2つの地域をもっとも厳しく直撃した。一つはアリゾナやフロリダなどのサンベルト地帯。住宅ブームと破裂が起きた。もう一つが錆ベルト?地帯のミシガンやオハイオなど。米国の製造業の衰退に苦しんでいる。興味深いことに、1980年から82年のリセッションに苦しんだ中西部やテキサスなどは、今回それほどでもなかった。
 ブルッキングス研究所のハミルトンプロジェクトでは、こうした不振地域へビジネスを呼び込むこと、解雇された労働者への投資、労働者と職のマッチングの方策を提案している。
 議論する中で、モビリティバンクの提案があった。1万ドルを上限に、より失業率の低い地域に労働者が移動するお金を援助するというアイデアだ。もし地域によって、求人と求職のミスマッチが存在するなら、このアイデアは良い。問題は、労働力が足りないという地域は非常に少ないことだ。