英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

原油再高騰のサイン

 曇り。

 米国のシェール開発企業のトップがいうには、冬に備えて欧州に迅速にガスやシェールオイルを供給できないという。欧州はこの冬、エネルギー危機に陥る可能性が高まっている。

 米国のシェール業界は欧州救済は不可能だと警告を発している。原油やガスの供給を増やすことはこの冬には間に合わないのだという。

 ここ数週間、原油市場の需給は緩和しているにも関わらず、今年後半に発効したロシアへの禁輸措置により、小康状態は終わる可能性がある。米国のイエレン財務長官は今週、禁輸措置が原油価格の高騰を招きかねないと警告を発している。

 https://www.ft.com/content/ef4fb2b8-1b28-43f3-b34f-13e98c769e63

米国株の大暴落

 曇り。

 米国株は大きく下げた。コロナ対応の初期である2020年6月以来の下げを演じている。震源地はインフレ指標である。

 投資家の見立てでは、Fedはよりタカ派的な行動をとるとみられており、株価も債券価格も下がった。

 米国の8月のインフレ率の数字は予想以上に高い結果となった。その結果、S&P500指数は4.3%も下落。2020年6月以来の最悪の日になった。ナスダックは5.2%の下落であった。

 短期国債の利回りも上昇し、15年ぶりの高い水準となった。アメリカ株の下落を受け、アジア株もつれ安となった。香港のハンセン指数は2%下落。日本のTOPIXは1.7%下げた。中国、オーストラリアも安値となった。

 インフレ圧力の高まりはFedにとって一層強い圧力となってのしかかっている。Fedはこのほど、上昇が止まらないインフレに対し、持てる力のすべてを出すと約束していた。この約束を受け止めた市場は経済がハードディングするのではないかという懸念を抱いている。

 https://www.ft.com/content/96bb6e37-9116-47d9-98f3-5cee3e9c7c09

 高インフレの波紋。WSJより。

 https://www.wsj.com/articles/global-stocks-markets-dow-update-09-13-2022-11663065625

 インフレ率について。食料とエネルギーを除くインフレ率は急激に上昇している。幅広い分野で値上げ圧力が高まっていることをうかがわせる結果になっている。

 1年前と比べて、消費者物価指数は大きく上昇した。

 https://www.wsj.com/articles/us-inflation-august-2022-consumer-price-index-11663017630?mod=article_inline

ペンタゴンの楽観論

 曇り。

 ウクライナにもこれから厳しい闘いが待ち受けている。ペンタゴンは慎重ながら、北東部戦線における楽観的な見通しを示した。

 https://www.ft.com/content/ee62788a-8191-48e2-87ee-e455614d58ca

 こんなにうまく反撃が成功して良いのか。疑念も残る展開である。

 https://www.nytimes.com/2022/09/12/world/europe/ukraine-russia-offensive-whats-next.html

 ゴールドマンサックスが従業員削減に乗り出す。今後数週間以内の動きである。数百人規模の人員削減が想定されている。

 ウォールストリートでは取引件数が減速しており、ゴールドマンも成績をあげられていない投資バンカーの人員見直しに動く。

 https://www.ft.com/content/1398e9f5-8e93-4134-ad37-fb5ea78ae7bf

 

ロシア軍反撃への備え

 晴れ。

 ウクライナの反撃が予想以上の成果をあげた。だが、これからはロシア軍による反撃に警戒する必要がある。ウクライナ防衛大臣は、ウクライナには領土を守る装備が必要になると強調している。

 ウクライナが奪還した広大な領土は、ロシア軍による反撃の危険性にさらされている。ウクライナの攻撃はクレムリンを驚愕させた。3000平方キロの領土を奪回したからだ。

 しかし、成功に浮かれてばかりはいられない。もちろん、今後数年間、ウクライナはロシア軍の反攻を警戒し続けなければならない。日曜日の夜には黒海からロシア軍がウクライナに向けてミサイルを相次いで発射した。

 ハルキウではミサイル攻撃により、停電が起きた。全域の停電はドネツク地方でも起きている。ロシアの戦争推進派のコメンテーターは停電をあざけったが、ウクライナ政府によると、いくつかの地域では電気は回復したという。

 https://www.ft.com/content/84ff2893-9b20-40c8-b503-f8fd10c99eca

 ウクライナ軍は北東部地域でロシア軍を敗走させている。ロシア軍もその事実を認めている。

 https://www.nytimes.com/2022/09/11/world/europe/ukraine-kharkiv-russian-retreat.html

ブラジルの「トランプ」

 エコノミストはブラジル大統領選を取り上げている。トランプになりうる男として、ボルソナーロ氏を取り上げている。

 https://www.economist.com/leaders/2022/09/08/win-or-lose-jair-bolsonaro-poses-a-threat-to-brazilian-democracy

ウクライナ戦争のターニングポイント

 曇り。

 ウクライナ情勢。ウクライナ軍がハルキウ周辺で電光石火の攻勢に出ている。ロシア軍は混乱に陥っているようだ。

 ロシア軍もイジュームなどの戦略的拠点から撤退したことを認めている。ロシア軍は土曜日、ウクライナ北東部の軍事拠点を放棄している。前線における明らかな潰走である。

 ロシアの防衛省はロシア軍がイジュームの戦略都市から撤退したと述べた。軍を再編し、ドネツク地方の南東部に転戦させるという。2月のウクライナ侵攻以降、今回の転戦は最大のものになる。

 これは戦局がターニングポイントを迎えた可能性を示している。今回のウクライナ軍の攻撃により、数千人のロシア兵が捉えられ、装備も多数捕獲された。

 ゼレンスキー大統領は毎夕行っているビデオ演説の中で、9月初旬以降、約2000キロの領土が解放された、と述べた。ロシア軍兵士に対し、降伏を呼びかけており、ウクライナ政府としては、ジュネーブ条約に基づき、ロシア兵に公平な扱いをすると約束した。

 SNSに投稿された動画によると、びしょ濡れのロシア軍が車や装備、食料を置いたまま、持ち場を急いで放棄している様子が撮影されている。地元の住民は解放された村井において、ウクライナ軍の前進を歓迎している。

 世界は当初、ロシア軍が敗北するとは思ってもみなかった。しかしいま、世界はロシア軍の敗北を目にしつつある。ウクライナ防衛大臣はこのように述べた。

 南部のヘルソンでも反撃に出ているが、東部と違い、進撃は少し遅れているという。

 ロシア政府は珍しいことに、軍展開の転戦を認めている。

 ウクライナ政府はまだ公式にイジュームの回復を認めていない。しかし、SNS上などにはウクライナ軍が国旗を掲げていることが確認される。

 ドイツのべアーボック外務大臣は今回の進撃を希望の瞬間であると歓迎している。国連総会とクリスマスの間の時期が重要であると述べ、西側諸国による軍事支援の重要さも指摘している。

 軍事アナリストによると、ウクライナ軍は2つの攻撃を同時に仕掛けたようだ。ロシア軍は失敗を恐れるあまり、中央集権的に意思決定している。しかし、複数の方向から攻撃されると、この意思決定の方式は弱い。

 ウクライナ軍はさらに東方の都市に向けて進軍している。ある軍事司令官は、今回の敗北は1943年以来となる、ロシア軍にとって最も大きな敗北であり、破滅であると述べた。

 キエフは戦勝に沸いているが、喜び過ぎを戒めている。補給線は伸びすぎており、ロシア軍の再奪回も考えうる。ヘルソン周辺では1200人のチェチェン人兵士が増強されていると言われる。

 https://www.ft.com/content/2a26a9d9-9866-4479-b2c5-aeee791e6e0e

 エコノミストより。同趣旨。

 https://www.economist.com/europe/2022/09/09/ukraine-seizes-the-initiative-in-the-east

 NYT。今回の反転攻勢は戦争の性格を変えるかもしれない。

 https://www.nytimes.com/2022/09/10/world/europe/ukraine-offensive-izium-donbas.html

ウクライナ軍の反転攻勢

 ウクライナ軍が本格的な反転攻勢に出ている。ここ数日、顕著な戦果をあげており、北東部のイジームを奪還した。ロシア軍を包囲するような形で攻撃を続けており、それが驚きをもって受け止められている。

 https://www.nytimes.com/2022/09/09/world/europe/ukraine-russia-kharkiv.html