英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

ウクライナ戦争への「飽き」

 ウクライナの最新情勢。

 何人かの専門家は、プーチン氏は西側の首脳らがウクライナ支援に疲れ果てることを期待している、と指摘している。インフレが高騰し、エネルギーの不足が深刻になることを狙っているという。

 https://www.nytimes.com/live/2022/05/11/world/russia-ukraine-war-news

エコノミスト予想以上の高インフレ率

 曇り。

 米国のインフレ率は40年ぶりの高水準となった。大きく下落するとの期待を打ち消す内容であった。

 4月のCPIは8.3%の落ち込みとなった。コアインフレ率が上昇し、株価の下落を誘った。

 4月のCPIの数字はエコノミストの期待を超えるものだった。40年ぶりの高い水準で、Fedのインフレ対策が急がれる。

 https://www.ft.com/content/b91996b3-79b2-4f41-acc9-651a0952008f

 ユーロはドルと、いわゆる「パリティ」に近づいている。アムンディの予測によると、今後6カ月以内にそのようになるとの見通しである。

 https://www.ft.com/content/fdace694-4aa8-4671-8b94-e67cc7ab9ce2

ブラックロックの反対票

 曇り。

 ブラックロックは今年の株主総会において、気候変動問題の解決に反対していくと表明した。最大手のアセットマネージャーは、ほかのアクティビストとは袂を分かっている。ウクライナの戦争が計算を変えてしまった。

 ブラックロックの考えでは、現在株主提案されている気候変動問題が、あまりに極端であり、規範的過ぎる、と指摘している。

 世界最大の資産運用家であり、およそ10兆ドルの資金をもっているブラックロックは、ステュワードシップコードを改定した。

 https://www.ft.com/content/4a538e2c-d4bb-4099-8f15-a28d0fefcea2

 米ウォールストリートでは、インフレ懸念が台頭している。

 https://www.ft.com/content/ec4ff5ea-f3cc-442d-acdf-6ae16f9126c3

 NYTより。

 https://www.nytimes.com/2022/05/10/business/economy/federal-reserve-inflation.html

大荒れの世界株

 曇り。

 9日も大幅な株安となった。世界中で株価が大きく下落。2020年6月以来の下落幅である。

 月曜日の株式市場は世界的な大荒れとなった。投資家は世界の主要国経済が減速するのではないかと警戒している。中央銀行政策金利の引き上げに動いているタイミングだからだ。

 中国の輸出の伸びは過去2年で最低となっている。ドイツやフランスの鉱工業部門も減速基調にある。

 https://www.ft.com/content/6691700c-9dfd-4911-8589-70b4ebd2caef

 アメリカはウクライナとロシアの戦争に、軍事的支援強化という形で関与を強めている。

 https://www.nytimes.com/live/2022/05/09/world/ukraine-russia-war-news

戦争の代償

 戦争の代償。

 ロシアに制裁を課したことのマクロ経済的な影響を試算している。2月24日のウクライナ侵攻に伴い、米国や欧州などの諸国はロシアに対して新たな経済制裁を課した。このコラムでは、経済的な影響を評価する。その結果判明したのは、産業の生産や消費、投資はすべて減少するということだ。

 そして、2022年のロシアのGDPは12.5%から16.5%落ち込む。にもかかわらず、ロシア経済は現状の輸出経済モデルに依存し続けるだろう。

 https://voxeu.org/article/macroeconomic-effects-2022-sanctions-russia

スリランカのカレンシーボード制

 経済苦境に陥っているスリランカ。カレンシーボード制を導入すべきだという提言があがっている。

 スリランカでは食料や燃料価格が急上昇し、路上は抗議デモであふれている。政権の閣僚全員が辞任する事態に陥っている。スリランカを経済的な破壊と社会政治的な惨状から救うには、過激な行動が必要だ。

 現状、信用のおける政策の議論は起きていない。外貨準備は5000万ドルを下回り、70億ドルの対外債務が今年、償還期限を迎える。スリランカ経済を救うには、より抜本的な策が必要で、それはカレンシーボード制である。

 カレンシーボード制のもとでは、為替レートは法定され、中央銀行は外貨準備をもとにマネタリーベースを決める。大規模な財政赤字を抱える政府と切り離すことで、スリランカの財政は急速に信任を回復する。その結果、通貨の下落を止めることに集中する。

 https://www.project-syndicate.org/commentary/sri-lanka-economic-crisis-currency-board-by-r-m-manivannan-2022-05