英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

JPモルガンの巨大バランスシート

 晴れ。

 JPモルガン・チェースは余剰の現金1300億㌦を長期債に振り向け、バランスシート上に保有している融資を減らす動きに出ている。全米で最大規模の資産を持つ銀行が、いかに巨大なバランスシートを管理するか。大きな転換が起きている。

 その結果、同行の債券ポートフォリオは50%増加した。理由は債券よりも融資のリスクを資本規制上、より重くみるルールのせいだ。株主に配当と自社株買いで毎年還元することを考えると、JPモルガンはよりリスクの高い資産を保有する余地がライバル銀行よりも少ない。

 こうした資産入れ替えの動きは、今年2月に投資家イベントで同行が表明した。これまで融資の成長に依存してきた銀行業界にとって、資本規制の現実は、新たな認識を迫っているという。

 今年に入り、JPモルガンは4パーセント、融資のポートフォリオを減らした。

 https://www.ft.com/content/cb88f676-f9a9-11e9-a354-36acbbb0d9b6

トランプ大統領とツイッター

 曇り。

 ニューヨークタイムズが、ツイッターを多用するトランプ大統領のことを取り上げている。

 トランプ氏は陰謀理論の言いふらしやなのか、人種差別主義者なのか、それともスパイなのか、問いかけている。

 この9月、正体不明のツイッターのアカウントが、「フェイクの内部告発者」というハッシュタグをつけてツイートを始めた。

 こうしたツイッターは、無名のアカウントにおいては典型的に存在する。内容は極右的な内容で、かつ陰謀理論に満ち溢れている。QAnonとして知られる内容で、FBIは最近、これらを潜在的な国内テロの脅威と命名した。

 しかし、そうした動きがあっても、共和党の大統領選候補者の動きを止めることはできない。

 https://www.nytimes.com/interactive/2019/11/02/us/politics/trump-twitter-disinformation.html?action=click&module=Top%20Stories&pgtype=Homepage

南アフリカの格下げリスク

 晴れ。

 南アフリカの債券は、ムーディーズの格下げにより、ジャンク債レベルに落ち込もうとしている。ムーディーズの評価としては、経済を再建する計画がうまくいっていないというものだ。

 ムーディーズ南アフリカの格付けの見通しを、安定的からネガティブに変更した。アフリカでもっとも工業化した国は、ジャンク債に落ち込むリスクにさらされている。

 現在、南アフリカは投資適格級の格付けであるBaa3をつけられている。しかし、見通しの変更により、ラマフォサ大統領による経済改革の失敗に改めて焦点が当たる格好となった。経済発展の信頼できる戦略を打ち出し、債務水準の上昇に歯止めをかけることが望まれるが、今のところ期待できない、としている。

 ラマフォサ大統領は昨年、ズマ前大統領に代わり、新しい夜明けをスローガンにして就任した。しかし、国営の電力会社Eskom改革などで、ANC内から強い圧力を受けていた。

 Eskomは、南アフリカのほとんどすべての電力を供給する寡占企業であるが、無駄と汚職がはびこり、政府保証のついている社債が政府の支援なしには支払い不能になっていた。南アフリカ財務大臣は、改革をしなければ、現在GDP比で60%以内に収まっている公的債務の比率が、今後3年のうちに70%を超える、と警告していた。

 同時に、南アフリカ経済は、アパルトヘイト廃止後も、不平等度が世界でもっとも高く、失業率も非常に高い。

 来年2月に作成される予算は、南アフリカの財政状況を転換させるかどうかの、重大な瞬間となりそうだ。

 https://www.ft.com/content/6f12864e-fcf8-11e9-a354-36acbbb0d9b6

マイナス金利政策は不可欠である

 晴れ。

 スイスの中央銀行総裁は、マイナス金利は不可欠である、と述べた。そして、世界経済の情勢が大きく変化しない限りは、現状のマイナス金利政策を変更することはない、と述べた。

 https://www.ft.com/content/67f75b4c-fbe9-11e9-a354-36acbbb0d9b6

ボルトン氏を召喚

 トランプ氏の弾劾調査について、前の国家安全保障補佐官であるジョン・ボルトン氏を召喚した。しかし、ボルトン氏は自発的には応じない意向だ。

 https://www.nytimes.com/2019/10/30/us/politics/trump-impeachment-inquiry-updates.html

Fed、3回目の利下げ

 曇り。

 Fedは今年3回目の利下げに踏み切った。ただ、次にどう動くかについてはこれから出てくる経済指標次第だとパウウェル議長は述べた。

 当面の利下げは終了で、今後は経済指標がよりはっきりしないと動けないという。

 米国の中央銀行は水曜日、経済見通しの不確実性が今回の利下げを正当化する、とパウウェル議長は述べた。米中の予備的な貿易交渉や合意なきEU離脱の可能性が低くなっていることで、経済活動の自信が強まっているからだ。

 利下げ休止は、2018年末までに続けていた利上げの復活を意味するものではないという。

 2日間のワシントンにおける会合の後、Fed金利政策決定会合は、声明文において2つの重要な変更を加えた。政策金利については、「適切な道筋を評価する」という言い方に変えた。また、「今後公表されるデータの意味を監視し続ける」とつけ加えている。

 これらの変化を読み解くと、12月の利下げを計画しているわけではなさそうだ。

 市場では、中期的な金利の調整は終了した、と評価する声が出ている。先物市場は、来年にもう1回の利下げを織り込んでいるだけだ。

 Fedの決定を受けて、米国債は10年ものが3ベーシスほど低下した。金融政策に敏感に反応しがちな2年債は1.6%近辺で動いている。

 Fedは経済が減速したときに動ける余地はまだあると確信している。歴史的に低い失業や賃金の堅調な上昇などにもかかわらず、Fedは今年3回の利下げを行った。

 今回の決定においては、セントルイス連銀のブラード総裁が反対票を投じた。より大きな利下げを求めているからだ。

 https://www.ft.com/content/f80253b8-fb35-11e9-98fd-4d6c20050229