英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

後退する利下げ期待

 雨。

 米国の雇用統計が発表された。利下げの程度がより大きいのではないか、との観測を打ち消す内容となった。

 6月の雇用統計は今年の数字としてはもっとも新規雇用者数が多かった。その結果、今年の利下げはより積極的なものではないかとの見方は減少させるものだった。

 しかし、債券や株価はデータ公表後、低下した。Fedが今月に金利を50ベーシスではなく、25ベーシス引き下げるのではないかという期待を高めた。

 同時に、今年2回の利下げを行うとの期待も後退した。

 https://www.ft.com/content/885767f6-9f1e-11e9-9c06-a4640c9feebb

ラガルドの後任はだれか

 曇り。

 ラガルド専務理事がECB総裁に就任することになり、後任のIMF専務理事選びが焦点になっている。通常であれば、欧州から選ばれる。現在、マーク・カーニー氏らの名前が挙がっている。

 IMFに開いた穴をだれが埋めるのか。専務理事という職は、国際金融の世界ではもっとも熱望される仕事の一つである。

 189か国あるIMFメンバーの中で、潜在的な専務理事候補となるのは欧州人である。公式には国籍は関係なく、選考プロセスはオープンということになっている。IMFの73年の歴史において、11人の専務理事は全員欧州から選ばれた。世界銀行トップが米国人であることとの紳士協定の結果である。

 https://www.ft.com/content/5ac2e846-9e3e-11e9-b8ce-8b459ed04726

雇用統計前の逆イールド

 雨。

 米国のイールドカーブは逆転したままである。経済の先行きへの懸念は残っている。

 やがて到来するリセッションを示すもっとも信頼のおける指標が、再び投資家を驚かせている。米国の雇用統計を前にして、イールドカーブがすべての年月で逆転しているのだ。米国経済のくすんだ見通しについて見方を固めるものだ。

 水曜日にはこの逆転度合いが深まり、市場は強くない市場データを織り込み始めた。

 10年国債金利は3か月ものを下回る水準まで急速に落ち込んだ。10年国債と3カ月国債の利回り差は、26ベーシスまで拡大した。

 過去50年間を振り返ると、すべての米国の景気後退の前に、イールドカーブは逆転した。米国株は高値をつけているが、経済減速の可能性に反応し始めた。

 7月4日は独立記念日で、市場は金曜日に再開する。

 6月の雇用統計は、5月より弱い数字になりそうだ。そして、そのことがFedの利下げ観測を高めることになる。エコノミストのコンセンサス予想では新規雇用者数は15万人の増加がみこまれている。5月は7.5万人と予想以上に低かったので、そのリバウンドがある。

 https://www.ft.com/content/a3226476-9dc7-11e9-b8ce-8b459ed04726

ECB次期総裁にラガルド氏

 晴れ。

 ECBの次期総裁にIMFのラガルド専務理事が就任する見通しとなった。EU首脳人事が固まり、欧州委員会委員長にはフォン・デル・レイエン氏が女性として初めて就任する。しかし、欧州議会には反対の声もあるという。

 ブリュッセルEU首脳が集まり、主要ポストの人事を決めた。ラガルド氏とレイエン氏に関する人事はほぼ全会一致で決まった。

 ただ。提案された人事案は最終的な承認はされていないままだ。欧州議会の承認というプロセスが残っている。ドイツのメルケル首相の足元でレイエン氏に対する反対の声が残っているという。

 今回の人事案は5週間に及び調整が続けられてきた。ECB総裁と欧州委員会委員長はほぼ同時に空席となる予定だった。過去に、これほど重要なポストがほぼ同時に空席になる事態はなかった。

 ラガルド、レイエンコンビはブレグジットや米国の保護主義、中国の経済力といった困難な時代を乗り切る必要がある。

 とくにラガルド次期総裁という選択は予想外だった。彼女はフランス外務相を4年務め、8年間にわたりIMF専務理事を務めた。しかし、金融政策について直接の経験はなく、そのことはラガルド氏にとって有利であるとは言えない。

 https://www.ft.com/content/c81eff0c-9cd0-11e9-9c06-a4640c9feebb

急転直下、香港情勢

 梅雨空。 

 香港では抗議デモ隊が立法会議の議場に突入したという。ラム長官は、建物の占拠は政治危機を悪化させると述べた。

 月曜日の夜、デモ隊が香港の立法院の建物に突入した。壁にはスプレーで落書きされ、北京政府にとっては22年前に英国から返還されて最大の挑戦となる。

 https://www.ft.com/content/edf5a2dc-9bc5-11e9-9c06-a4640c9feebb

 

ドル弱気論の成否

 なぜドル弱気派は説得に苦労しているのか。投資家の一部は米ドルの大幅下落にかけているが、そうではないとみる向きもある。

 米国債は上昇し、株価も高値を更新している。Fedが間もなく利下げをするとの見通しが背景にある。しかし、ドルだけは、強弱が混在する反応を示している。

 他の市場が動きがあるのに、ドル相場だけは単に低下しただけの反応だ。ユーロや人民元が安すぎると不満を述べるトランプ氏のいらいらが思い浮かぶ。今週、テレビインタビューでトランプ氏は、Fedのパウウェル議長は金利を高く保ちすぎたと不満をもらした。

 為替アナリストらのコンセンサス予想によると、今後18か月のうちに、ドルは安くなると予想している。

 https://www.ft.com/content/787ddd70-972f-11e9-9573-ee5cbb98ed36

 プライベートエクイティ勝者の呪い

 PEによる資金調達と買収活動は記録的な水準に達しているが、2兆㌦以上の資金がいわゆるドライパウダーとして残っている。

 https://www.ft.com/content/e1de8106-98f7-11e9-9573-ee5cbb98ed36