英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

債券王の退場

 曇り。

 債券王と呼ばれたビル・グロス氏が引退に追い込まれた。最後の期間の運用成績は芳しいものではなかった。グロス氏はピムコを債券運用機関として最強の地位に押し上げたが、彼の最終盤の成績は冴えなかった。

 資金運用の世界で、もっとも称賛された一人のキャリアが無残な最期を遂げた。ビル・グロス氏のことで、彼は現在74歳。月曜日に、ジャヌス・ヘンダーソングループのポートフォリオ・マネジャーから引退すると発表された。4年間ほど、投資リターンは不均一で、ピムコとは2014年に去って以来、法的論争を続けていた。

 ピムコで債券王と呼ばれていた時代は2930億ドルもの資産を運用していたが、ジャヌス時代は10億ドルにも満たない運用額だった。

 グロス氏の引退は、アセットマネジメント業界に吹き荒れているトレンドを強化することになる。それはすなわち、市場以上の成績を上げると約束できるマネージャーたちの衰退である。

 過去10年にわたり、投資家たちは、市場のインデックスをまねた、より安い投資商品を好み、株式や債券の運用者から去っていった。

 グロス氏は、市場における大胆な予想をすることで、多くの追随者を得てきた。しかし、グロス氏の運命は2013年と2014年に変わった。ピムコのムハマド・エラリアンとの衝突もその一つだ。

 さらに、ジャヌスにおける成績は過去3年間で0・95%のリターンをあげるにとどまった。これは同種ファンドと比べて90%以上も低い。

 https://www.wsj.com/articles/bill-gross-retiring-from-janus-11549287324?mod=hp_lead_pos2