英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

法を超えるトランプ

 雨。台風一過。
 いくつかの暴露や有罪判決を経て、アメリカは次のような単純な疑問に直面しているのではなかろうか。すなわち、トランプ大統領は法律を超えた存在なのか、と。
 テレビプロデューサーとしてのキャリアに一種の栄誉を与える瞬間なのかもしれない。大統領が選挙戦で自身の道を行く一方、彼の選挙運動の責任者であるポール・マナフォート氏は8つの脱税や銀行詐欺の罪で訴追された。大統領の元弁護士であるマイケル・コーエン氏も、脱税や詐欺、選挙資金法違反で8つの罪状で有罪とされた。ケーブルテレビのニュースは、ルービック・キューブに似せて、何が起きているのか、画面を何分割にもして事態を伝えている。
 しかし、今週何かしら狂った、しかし大変重要な変化が起きている。大統領であるトランプ氏は初めて、公式の場で大統領になるために個人的に法律を犯していたという非難を受けたのだ。
 マナフォート氏の有罪判決は、彼の裁判を傍聴していた人からすると、まったく驚きではない。政治コンサルタントとして長らく、独裁者らに雇われていたからだ。コーエン氏の弁解は人々をより驚かせるものだった。なぜなら彼はトランプ氏だけの弁護士ではないからだ。コーエン氏は宣誓のもとで行った裁判所の答弁において、トランプ氏と関係を持った2人の女性に対する金銭の支払いを、連邦オフィスで候補者の支持のもとに支払った、と述べたのだ。別の表現をすれば、トランプ氏はコーエン氏に対し、法律を破るよう話した、と述べたのだ。
 マナフォート氏の件も、コーエン氏の件も、ロシアが大統領選に介入したとの疑惑と直接関係するものではない。そして、それはモラー特別検察官によって現在捜査がなされている。しかし、両方のケースとも、モラー氏の捜査なしにはもたらされなかったものだ。
 https://www.economist.com/leaders/2018/08/23/is-donald-trump-above-the-law