英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

スペイン回復の教訓

 ドイツの極右が再び政治の舞台に帰ってきている。
 https://www.ft.com/content/348a1bce-9000-11e8-b639-7680cedcc421
 エコノミストより。ユーロ危機以降、スペイン経済が回復した教訓である。
 6年ほど前までは、スペインはEUでもっとも大きな経済的災難のようにみえた。ユーロそのものの存亡を脅かすかのように思えたものだ。
 今週の休日に出かけてみると、しかしより明るい姿が見えてくる。構造改革やいくらかの幸運にも見舞われ、持続する経済回復を謳歌している。スペインでは欧州全般でみられるような外国人排斥の動きも少ない。民主化して40年が経過し、南欧の国というよりは、スカンジナビア諸国の感覚で、たとえばゲイ同士の結婚など個人的自由の問題を論じている。長寿の国であり、健康保険サービスも充実し、世界で住みやすい国の一つである。
 しかし、スペイン人自身はこのようには考えていない。2009年から2013年にかけての経済不振は、いまだ言えることのない傷を開いてしまった。スペインはより不平等になり、貧しく、2008年よりも低賃金労働者が増えている。スペインの若者は自身のキャリアや住宅、子供の設計図を描くことができないでいる。政治もその現実を反映している。
 安定していた2大政党システムは2015年に停滞に陥った。それはフランスの政治状況と似通っている。
 https://www.economist.com/leaders/2018/07/26/lessons-from-spains-recovery-after-the-euro-crisis