英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

キャッシュレス社会の到来

 きょうも晴れ。
 中国では一足先にキャッシュレス社会が到来している。ただ、それは中国のみに固有の現象である。
 携帯電話による支払いは1年間で9兆ドルにのぼり、人々の買い物の仕方や借入のやり方などを変えつつある。短く髪を買ったスリムな男性が、食品店で携帯電話を近づけていた。
 それはいまの時代を写す、文字通りの象徴だった。ウィチャットのような、携帯電話を通じた支払いはこの国を席巻しつつある。モノをオンラインで購入する手段として足場を築いた後、携帯電話の決済は店舗の支払いに進出し、中国ではすべてのものを買う手段として急速に定着しつつある。
 このことは、個人の小規模な債務も含まれている。ある男性は歴史的な建造物に入る入場料を持ち合わせていなかったため、20人民元ほどを借入れた。
 こうした現象の背後には、インターネットの巨人、アリババグループとテンセントグループが存在する。彼らは伝統的な銀行を肘でつつきまわしている。彼らの成功は金融の分野での革新が将来を握っていることを示している。
 携帯電話決済の市場は米国では1120億ドルに過ぎないのに、中国は9兆ドルに達している。
 アリババやテンセントにとって、報酬は販売業者から受け取る決済フィー、0・6%だけではない。消費者のデータを集め、二輪車のシェアリングサービスから旅行まで活用されている。
 彼らの決済は、中央銀行のクリアリングシステムを通る必要がない。それゆえ、中国の金融政策当局にとって、資本フローやマネーロンダリングを追跡するのをより困難にしている。
 消費者はというと、より投資や借入、それ以外の金融サービスの案内をスマートフォンを通じて受け取るようになっている。短期の消費者信用は160%の勢いで伸びている。
 https://www.wsj.com/articles/chinas-mobile-payment-boom-changes-how-people-shop-borrow-even-panhandle-1515000570