ドル高の問題。
11月22日に公表されたユーチューブのビデオの中で、トランプ氏は米国旗とライオン像の前に座り、アメリカファーストの政策を確認していた。ビデオが暗黙のうちに示しているのは、トランプ氏の国際貿易観だ。雇用を奪うような国々に対し愛国主義的に闘う、という世界観だ。
トランプ氏によると、貿易交渉はゼロサムゲームだ。他国はお互い利益を得る貿易のパートナーでなく、お互い戦いあうライバルである。11カ国と10年にわたって交渉し、まとめ上げたTPPは、彼の歴史観と重なり合う。NAFTAも中国のWTO加盟も、米国人の雇用を破壊したという点で同列の代物になる。
商務長官に任命されるウィルバー・ロス氏は、中国は世界に貿易品目を安価に供給している大国であり、米国が最大の貿易赤字を計上している国でもある、と述べている。
おそらく、世の中の誰も、トランプ氏の貿易政策がどのようなものになるのか、正確に知っていない。これはトランプ氏自身もおそらくそうである。海外との競争に対するトランプ氏の警告や貿易交渉に対する疑念は、彼のレトリックの端々に深く埋め込まれている。
http://www.economist.com/news/briefing/21711498-whatever-he-thinks-dealmaking-wont-help-mr-trumps-trade-negotiations-donald-trumps-trade