英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

Close Call

 雨。今年の夏は雨が多い気がする。
 Fed内部の意見は分かれており、結局来週のFOMCで現状維持を決めるのではないかとの観測である。来週の政策会合を前に、委員たちの間に強いコンセンサスはない。Hilsenrath記者。
 これは判定が微妙(Close Call)なゲームになりそうだ。インフレ率は目標となる2%を下回り続け、失業率はここ数ヶ月変わっていない中、急いで利上げに踏み切る緊急性を感じていない。大勢は利上げを遅らせる方向に傾いているようだ。
 マーケットではここ数日、Fedの決定が強い思惑の的になっている。金利は株価に影響し、住宅や企業のコストに影響する。
 ただ、そのためらいにも関わらず、Fedは外部の利上げ圧力にさらされている。月曜日にはJPモルガンチェースのダイモンCEOが、「さあ利上げをしよう」と呼びかけた。ダイモン氏からすると、低金利は彼らの利益マージンを傷つけると不満をもっている。
 イエレン議長にしても、委員の間の分裂に直面し、彼女が議長としてFedを率いてから分裂は普通のことになっている。
 月曜日に講演したアトランタ連銀のロックハート総裁は、「われわれが忍耐のコストを負っているとは思っていない」と述べた。
 歯に衣を着せぬ発言で知られるブレイナード理事も待機組で、月曜日にシカゴで行ったスピーチでは、「プルーデンス」を求めた。とくにブレイナード理事の講演は注目を集めたようだ。トレーダーたちは、理事が意見を翻し、利上げ支持派にまわるのではないかと憶測した。その代わり、彼女はなぜFedが利上げに注意深く、ゆっくり進めるべきかについて5つの議論を展開した。
 それらの中で、失業率は10%から5%に低下した理由はインフレではない、と述べた。
 http://www.wsj.com/articles/divided-federal-reserve-is-inclined-to-stand-pat-1473720501
 ブレイナード理事ら3幹部の講演。利上げは急ぐべきではない、という意見だった。ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁も、インタビューに答え、利上げを急ぐ緊急性はない、と述べた。
 http://www.wsj.com/articles/feds-lael-brainard-case-to-tighten-policy-preemptively-is-less-compelling-1473701143