英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

クリントン株式会社

 晴れ。夏日が戻る。
 米国はイスラム国とシリアで戦うトルコ支援軍を援助することを検討している。トルコ政府は結婚式場における自爆テロやクーデタの企てが発生したのを受け、改めて自らの役割を再確認している。
 米軍はシリア国境でイスラム国の供給ルートを攻撃しているトルコ支援軍に対し、軍事的な支援を行うことを検討している。両国政府の高官が述べた。
 トルコ軍の一部は、シリア国境の戦略的な町を包囲しつつある。どうやらトルコ軍などは国境付近でイスラム国の掃討に成功しつつあるようだ。
 ただ、米軍はどのような軍事支援を行うのか、決めかねている。
 一方、トルコはロシアとイランとの間で、シリア紛争を集結させる地域計画を検討すべく、接触を始めている。トルコのモスクワに対する和解は、トルコ軍の関与の可能性も高めている。ロシアはトルコが反対しているシリアのアサド大統領と親密である。しかし、彼らにはイスラム国と戦うという共通の素地もある。 
 http://www.wsj.com/articles/turkish-shelling-presages-new-rebel-offensive-in-syria-against-islamic-state-1471984440
 クリントン株式会社と題する記事。クリントンスキャンダルの一つである。
 多くのクリントン氏に関するスキャンダルの中で、ヒラリー氏が牛の先物取引でわずか10ヶ月のうちに大儲けした話ほど、疑わしいものはない。なぜそれほど短期間に、素人がそれほど巨額のお金を稼ぐことができたのか。また、eメールスキャンダルは自由情報法によって明らかにされ、クリントン財団がお金持ちや権力者にとって非常に魅力のある存在であることも示唆している。もし献金者が国務省の関心を引くような問題を抱えていれば、クリントン財団の幹部がヒラリー氏の秘書にeメールを行い、関心を引くことができるのだ。
 たとえば、2009年6月のeメールをみてみよう。このとき、クリントン財団の幹部から送られたeメールには、バーレーンの皇太子がクリントン氏に求めている陳情が記されていた。
 クリントン夫妻と「お友達」になる方法はいくらでもある。しかし、確かな一つの方法は、5万ドルから10万ドルをクリントン財団に寄付することだ。そして、バーレーン王国もそのようにした。皇太子がクリントングローバルイニシアティブが始めた奨学金に3200万ドルを使ったことは言うまでもない。
 見返りとして、当初は断られた公式チャネルを通じてのミーティングが実現することになった。
 これだけではない。刑事訴追をロンドンで受けているサッカー選手が米国に入国するのにも、便宜を図った疑惑がある。この疑惑は、クリントン財団に500万ドルから1000万ドルを寄付しているワッサーマン氏の求めに応じたものだ。
 この2つの事例は、クリントン財団の寄付者の代わりに政治介入を求めた、多くのeメールの一コマに過ぎない。そして、これらのeメールは同じパターンをもっている。
 この状況を「国務省は仕事をクリントン財団にアウトソースしている」と描写する人もいる。
 このビジネスモデルはクリントン夫妻にとって非常によく機能しており、他の政治家によってクリントン財団はマネされている。しかし、おそらくクリントン夫妻ほどうまくいった例は存在しない。
 その理由はシンプルだ。クリントン夫妻は他の政治家夫妻が売り物にすることができないほど、強固なビジネス上のパートナーシップを築いているからだ。たしかに、過去の大統領経験者は全員、引退後に講演活動や慈善活動、財団の活動を続けていた。しかし、大統領経験者が配偶者とともに活動し、国務省だけでなく、次期大統領候補として活動する例は前例がない。もし、あなたが外国政府か富裕なビジネスマンであれば、クリントン財団への寄付は、どんな値段をつけても割に合う、非常に魅力的な投資に映るだろう。
 こうしたケースにおける報酬や見返りを証明したり、我々が知ることは非常に困難であろう。クリントン財団を前にすれば、トランプ氏の税負担逃れ疑惑など、小さな現象に思える。
 http://www.wsj.com/articles/hillary-and-bill-clinton-inc-1471908017?mod=trending_now_5