英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

米国の住宅市場

 今日は曇り空。少し涼しい。
 米国の住宅マーケットの話題である。偏った住宅市場の回復によって、数百万人が住宅を取得できずに取り残されていると指摘されている。
 2012年に始まった住宅市場の回復はマーケット全般を持ち上げた。しかし、中間層の相当部分を取り残し、永続的に住宅を賃貸できる層の創出を阻害し、数百万人もの米国人に経済的な不安と不満を引き起こすことになっている。
 住宅価格は全米に178ある主要な不動産市場の83パーセントの地域で第2四半期に上昇した。全般的な住宅価格は現在、2006年7月につけたピーク時の価格と比べてわずか2パーセント下回るだけだ。しかし、これらの価格上昇の大半はエコノミスト曰く、買い手が増えているのではなく、新規の供給が不足しているためだ。
 新規の住宅建設のペースは低迷している。不均衡な回復は数百万人いる住宅を欲している層を締め出している。通常の市場環境においては、毎年20万人から30万人の家計が新しく住宅を購入する。しかし、現在はそういう意味に於いては通常の住宅市場の環境にはない。
 負け組は明らかに住宅を賃借している層だ。彼らは住宅価格の上昇の恩恵にあずかることができず、中間層の富が失われつつあるとの指摘がある。
 こうした怒りは、大統領選挙においてトランプ氏やサンダース氏の支持につながった。
 http://www.wsj.com/articles/lopsided-housing-rebound-leaves-millions-of-people-out-in-the-cold-1470852996