曇りのち雨。
イエレン議長の講演である。経済の見通しがはっきりするまで、利上げはないと述べた。ただし、いつ利上げがやってくるのか、明言しなかった。
講演はフィラデルフィアで行われた。金曜日に失望させる結果の出た雇用統計のあとの講演だけに注目されていた。
イエレン議長や他の幹部らは、経済の改善が期待できるので、徐々に金利を引き上げていくことができると依然として信じている。しかし、来週のFOMCでは利上げは議論されない見通しだ。7月の利上げの可能性があるが、可能性は低い。そして、経済が回復する証拠が出てくれば、9月の利上げが有力だ。
この日のイエレン議長のコメントは2週間前とは様変わりだ。5月の雇用統計は異常値か、より根本的に雇用や生産が減速している証拠かもしれない。イエレン議長はこの日時点で結論を引き出すことを注意深く避けた。
Fedは一つのデータに依存しすぎだ、という指摘もある。Fed幹部は一つのデータを強調過ぎないと言ってきた。しかし、長年労働局が発表する雇用統計に特別な関心があてられてきたことも事実だ。
イエレン議長が経済を読み解くフレームワークの中で、労働市場が中心的であることも事実だ。昨年12月に利上げを行った後、Fed幹部たちは次の利上げにあたって3つのベンチマークを設けた。
一つは第2四半期の経済成長が加速するか。2つめは雇用市場の改善が続くか。そして、3つめがインフレ率が上向く兆候があるか、だ。今回の雇用統計は最初の2つが達成できないことを示唆した。
イエレン議長は次のような発言もしている。多くの考えうる、避けることのできない不確実性が経済の見通しや金利の道筋に影響している。
http://www.wsj.com/articles/yellen-says-latest-jobs-report-raises-questions-about-economic-outlook-1465230636
議長講演はこちら。
http://www.federalreserve.gov/newsevents/speech/yellen20160606a.htm
Duy教授。6月利上げの可能性は消え、9月の利上げに突如焦点が当たり始めた。しかし、今回の雇用統計の数字はトレンドを表しているのではなく、異常値に過ぎなかったのではないかという。
3万8000人という数字はベライゾンのストライキの影響を考慮に入れても低い。過去の数字の下方修正も効いた。
http://economistsview.typepad.com/timduy/2016/06/employment-report-yellen-and-more.html