英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

バーナンキと共和党

 ベン・バーナンキ前議長が回顧録を著した。米国のよき伝統である。その前議長が自著インタビューと合わせ、共和党はもはや経済政策の精神を失ってしまった、と述べた。バーナンキ議長はもう共和党支持者でもないという。共和党は極右勢力の知的退廃に毒されており、耐えられないのだという。
 具体的には、陰謀理論に左右されており、財政政策や金融政策が雇用の創出につながる効果を否定する。さらに、もはや信用のない金本位制を支持している、と批判している。
 ここでも共和党の政策の頓珍漢ぶりが象徴されているようだ。
 http://www.usnews.com/opinion/economic-intelligence/2015/10/09/ben-bernanke-has-had-it-with-stupid-gop-economics
 IMFが世界経済の成長率見通しを下方修正した。2009年の金融危機以降で最低の水準だ。世界経済は果たしてこん睡状態に陥っているのだろうか。それとも単なる二日酔いに過ぎないのか。
 ケネス・ルゴフの投稿。
 一つの可能性は数十年にわたる長期停滞のせいで、世界経済が需要不足に陥っている可能性。もう一つが、債務のスーパーサイクルの最終盤に差し掛かっている可能性。ルゴフ教授の診断は、デットスーパーサイクル説だ。
 しかし、もしそうであるなら、何が必要なのだろうか。一つは金利をゼロ以下に下げることだが、未来志向過ぎる。
 現実的なエコノミストたちが支持するのは、インフラや教育投資のために長期債務を活用することだという。
 http://www.ft.com/intl/cms/s/0/c49e80c4-6d08-11e5-8171-ba1968cf791a.html?ftcamp=published_links%2Frss%2Fcomment%2Ffeed%2F%2Fproduct#axzz3o5gVhu00