英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

ギリシャ問題の本質

 シカゴ大のコクラン教授がギリシャ問題について考察している。表面的な議論でなく、ギリシャで起きていることを通じて、その本質を考察している。
 第一に、ギリシャ経済はすでに麻痺状態に陥ろうとしていいる。たとえば、5月の税収は予算の目標から10億ユーロも不足している。政府もお金がないものだから、支払いを滞らせている。そして、事態が悪化するのに、政府自体が拍車をかけている。
 企業間信用もほとんど停止している。
 いま起きていることが意味しているのはたとえば、こういうことだ。
 ギリシャ問題は貸付交渉の問題ではなく、ロールオーバー交渉の問題であることだ。ギリシャに対するローンはおそらく数十年間残り、それくらいの長い時間をかけて返済される。
 第二に、増税が提案されているが、今増税するなんて、これは冗談を言っているのだろうか。ギリシャが債務を返済するようになるためには、輸出主導の経済に変わる必要がある。税率が高い国に投資が呼び込めるはずがないではないか。
 http://johnhcochrane.blogspot.jp/2015/06/last-greek-thoughts.html