英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

ドル高の帰結

 曇り。今日も寒い。
 ECBによるQE導入によって、ユーロが大きく下落し、ドル高に焦点が当たり始めている。米国企業にとっては、輸出競争力がなくなり、経済成長率の鈍化や物価上昇が減速する懸念がある。ECBのQE導入が米国経済やFRBにとって試金石になる、というストーリー。特に、FRBにとっては、利上げの時期を難しくする恐れがある。Hilsenrath記者の記事だ。
 ドルはユーロに対し、2014年の1年間で15%高くなった。ちなみに円は対ドルで3割も安くなっている。
 Hilsenrath記者が挙げる、ドル高のインプリケーションは3つある。ひとつは利上げを控えているのにインフレ率を低下させること。2つめは、輸出を阻害すること。3つ目は、米国の金融資産バブルを招きかねないこと。
 http://www.wsj.com/articles/euros-big-drop-puts-u-s-economy-federal-reserve-to-the-test-1422059437?mod=WSJ_hp_LEFTTopStories
 国王死去後のサウジ。79歳のサルマン新国王が就任し、その次の王位継承順位が決まった。より若い世代へ後継者の範囲を拡大した。注目されるのは、55歳の新国王のおい、ナイーフを次期皇太子候補にしたことだ。国家創設時のサウド家からすると、第三世代にあたる。
 ナイーフ王子は、アルカイーダとの戦いで功績をあげたとされている。米国との関係も良好。夜遅くまで執務する、ハードワーカーとしても有名なようだ。
 サウジと米国の関係も気になる。米国はオバマ政権になって、中東への影響力を明らかに低下させてきた。サウジはそのことに不満を抱いている。
 http://www.wsj.com/articles/mohammed-bin-nayef-appointed-deputy-crown-prince-of-saudi-arabia-1422005549
 焦点はサウジ国王死去が、原油価格にどのような影響を与えるかだ。23日は国王死去を受けて、若干上昇した。ブレント価格は48・94ドルと、42セント上昇した。ただ、サルマン新国王になっても、サウジの石油政策は変わらないとみる向きが多い。ナイミ石油大臣も続投する。
 ナイミ石油相は80歳近い。それゆえ、今後18ヶ月以内に交代する観測があるという。
 http://www.ft.com/intl/cms/s/0/4dfb555a-a2e7-11e4-ac1c-00144feab7de.html?siteedition=intl#axzz3Pj29yITT