11月もあっという間に終わりを告げ、今年もあと1ヶ月を残すばかりとなった。早い早い。
「今年の一冊」を選ぶ時期になった。FT紙が今年の一冊を選んでいる。経済分野ではPikketyだけでなく、「ユーロのわな」や「ドルのわな」など、EU統合の問題や基軸通貨ドルの時代が終わりつつあることを指摘した書籍も挙げられている。後者については、ドルの基軸通貨としての力は衰えつつあるが、危機によってむしろその力は強まった、と論じている。
Mian、Sufi両教授による「House of Debt」も興味深い。過去の経済的災厄はほぼすべて家計の債務が膨張したことによって起きた、と論じている。
http://www.ft.com/intl/cms/s/2/d79f160a-76bb-11e4-8273-00144feabdc0.html
スイスで今日日曜日、国民投票が行われる。テーマは、スイス中央銀行に金の保有を義務付けようという法案だ。資産のうち、最低20パーセントを金で保有させ、海外にある金資産をリパトリエート(国内回帰)させようという狙いだ。
この問題を考えてみる際に、インドの先例を見てみるのが良いという。インドは2013年の8月に金の輸入を制限した。国内で過剰に金を蓄積するのを防ぐ措置だ。
インド人の「金好き」「金への選好」はよく知られている。その結果、2013年には経常収支がGDP比で5・5パーセントにのぼる赤字となり、ルピーの不安定化を通じて資本面でパニックが起きた。それを防ぐために、インド中央銀行は金の輸入を制限したのだ。
たしかに、この措置によって対ドルのインドルピー相場は下落を免れたが、安値のまま推移している。輸入制限にもかかわらず、実際の輸入は止まらないでいるためだ。一つの原因は密輸者が横行していることだ。
http://ftalphaville.ft.com/2014/11/28/2055252/an-indian-precedent-for-switzerland/