英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

なぜ今ケインズか

 なぜケインズが今日重要か、と題する論考。VoxEUより。
 ケインズの批判派は、リカードの中立性や財政乗数の概念を使って、ケインズを批判してきた。しかし、ケインズ自身、リカードの中立性に反対していたが、それに代わる議論を提示することはなかった。
 現代において、ケインズが展開したように、賃金が粘着的であることは知られている。特に南欧州ではそうだ。また、民間部門が理論が想定するほどフォワードルッキングでもないことが知られている。
 危機前は、借り入れや消費は持続可能でないほど増えていた。その結果、現在は消費者は消費を増やさず、企業も投資を抑えている。金利がゼロ金利に近い水準にまで落ち込んでいるにもかかわらず、だ。
 これはケインズが、財政を拡張的に運営すれば、よく機能する、と述べた状況である。そして、金融政策が機能しない状況でもある。それなのに、現在の政策担当者は金融緩和に頼った運営を行っている。ここには、経済のニーズとマクロ経済学の理論との乖離がある。
 http://economistsview.typepad.com/economistsview/2014/11/why-keynes-is-important-today.html