英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

所得の不平等はなぜ悪いのか

 晴れ。あと3日で今年が終わる。
 ちょっといつもと毛色の変わった論考。米国の左派は過去10年間、所得の不平等に関心を寄せてきた。それには相応の理由があった。一つはフェアネス。個人が選択することのできない生まれや両親の資産、遺伝的要素によって、個人の人生が左右されてはならない、という価値判断が背景にある。
 もう一つは所得の不平等が教育や健康、幸福感といった、他の価値あるものの不平等を増してしまうことだ。最後に、こうした所得の不平等は、中堅以下の所得階層の所得成長率を鈍化させてしまうことだ。
 だが、もっとも重視すべきことは他にある。それは、経済そのものや健康、民主主義などに悪影響を与えてしまうことだ。
 たとえば、ジョセフ・スチィグリッツは所得の不平等が成長を阻害することについて、金持ちが消費する割合は小さいので、不平等度が拡大すると、消費者の需要を減少させてしまう、と述べている。また、所得分配が不平等だと、人々の働くインセンティブも阻害する。
 だが、この小論の論者は、それは果たして本当か、と問いかけている。
http://economistsview.typepad.com/economistsview/2013/12/the-danger-of-front-loading-income-inequality.html