英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

ドラギのプレゼン

 晴れ。少し肌寒いが、今日も穏やかな良い天気。
 ドラギ総裁がEU首脳を前に行ったというプレゼンテーションが出ている。経済成長率、失業率、経常収支、財政の現状などを引き合いに出して解説している。実質GDP成長率は2012年第4四半期に底を打ち、2014年にプラスの領域に浮上する見通しを示している。
 成長の基礎という図解も興味深い。成長の源泉はどこからやってくるかというと、グローバルな需要の回復、物価の安定をつなぎとめた金融政策、そして経済回復の3つを挙げている。
 焦点の一つは競争力の回復だ。労働生産性や賃金の高低は、黒字国と赤字国とでその差は一目瞭然だ。信用力が回復し、高止まりしている金利を引き下げられるかも焦点になる。
 http://www.ecb.int/press/key/date/2013/html/sp130315.en.pdf?4d55c03ac2e6f7b4dd49a48b5d3695fa
 ECBが示している緊縮財政の効果について。月報において、GDP比の公的債務が90から100%を超えると、長期的な成長率にマイナスの影響を与える、と指摘している。ユーロ圏全体では、昨年の第3四半期に債務GDP比率は90
%を超えた。フランスはまさに90%にあり、ドイツですら82%と決して良好な数字ではない。
 多くのエコノミストは長期的な成長と公的債務残高の多さの関係を認めている。問題は目先の深刻な不況から出ていくために、短期的な債務の増大がどこまで許容されるかだ。
http://blogs.wsj.com/economics/2013/03/14/ecb-doubles-down-on-austerity/?mod=WSJBlog