英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

次回FOMCへの関心

 近所の桜の枝が心なしかピンク色に色づいている。春は近い。
 3月のFOMCが近づき、Fedの出口戦略をめぐる議論が一層激しさを増してきそうだ。
 WSJのHilsenrath記者のレポート。8日発表の雇用統計は予想以上に良い内容だった。しかし、今月19日、20日に開催されるFOMCでは、現行の金融緩和政策に変更はなく、当面は様子見の姿勢となるだろう、と予測している。Fedからはこの数か月、債券買い取りプログラムの効果を支持するレポートがいくつか出されており、現行の政策を理論面から下支えしている。
 その一方、金融緩和のこれ以上の継続を批判する人たちが懸念しているのは、インフレ懸念とマーケットの不安定化だ。
 ハト派の代表格であるシカゴ連銀のエヴァンズ総裁は、WSJのインタビューに答え、毎月20万人の新規雇用者数の増加が6カ月以上続く必要がある、と出口戦略の条件を挙げている。 http://online.wsj.com/article/SB10001424127887324582804578348293647760204.html?mod=WSJ_hp_LEFTWhatsNewsCollection
 その雇用統計についてのコメント。2月の新規雇用者数は23・6万人増加した。失業率は7・7%と依然高水準だ。同時に、12月と1月の速報値も上方修正された。事前予想を大きく上回り、米国の労働市場の回復ぶりは著しい。
 http://www.calculatedriskblog.com/2013/03/february-employment-report-236000-jobs.html
 Tim Duy教授の雇用統計評。2月の数字は大ヒットの数字ではないが、手堅い結果となったと評している。これらの結果を受けて、Fedの試算買い取りプログラムの縮小が取りざたされることが予想されるが、教授はそうした議論は早計だ、としている。依然として、労働市場は穴に落ち込んでおり、Fedが出口戦略に踏み切るには時間がかかるだろう、とみている。
 Fedが出口戦略に踏み切るきっかけとなる6・5%の失業率に達するのは、来年のことだろう、と読む。また、6・5%は、インフレが落ち着いている限り、Fedが利上げをするトリガーにはならないだろう、とみている。
 http://economistsview.typepad.com/economistsview/2013/03/fed-watch-a-solid-employment-report.html