英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

アルゼンチン式解決法

 ユーロ離脱が取りざたされる今回の欧州債務危機に関連し、2002年に通貨切り下げを行ったアルゼンチンの経験はどう生かされるのだろうか。債務は実質的に減少するが、富の大幅な移転が起きる。アルゼンチンが経験したような陰鬱な調整を避けるため、ユーロは、通貨離脱ではない、より良い選択肢を模索すべきだ、と提言している。
 アルゼンチンの当時の経験について、エコノミストの多くは、通貨切り下げに伴うアルゼンチンの急速な回復や競争力の回復に言及している。では、どの程度の切り下げがあれば、競争力を回復できるのだろうか。
 ユーロの離脱は、デフォルトの引き金を即座に引く。しかし、もしデフォルトが不可避なのであれば、新通貨への切換は競争力格差を改善することにならないか。
 通貨同盟離脱による調整は、フリーランチではないが、最適かどうかは分からない。ユーロ離脱は、銀行と債務と通貨の三重破綻を深刻化させる。資産の保有者は、ハードカレンシーに資産を移し、預金封鎖や資本と為替相場の規制が必要になる。
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