英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

モルスタ異変

 朝は肌寒いくらい。
 以下、米銀の三題話。
 モルガン・スタンレーの株価やCDSがそれぞれ急速に悪化している。ヘッジファンドは同社向けエクスポージャーの額を減らしている。CDSは495ベーシスに急騰している。
 ある大手ヘッジファンドのマネージャーは、モルスタにおいているキャッシュの額をカットしている。ヘッジファンドは、プライムブローカレッジ業務をモルスタなどに外注せざるを得ないが、一社に多くのおカネを置かないよう、警戒している。
 金融危機以降、ヘッジファンドはプライムブローカーを分散させている。リーマンショックの破綻の際、ヘッジファンドはブローカーに預けている現金を引き出せなくなった経験があるからだ。
 ただ、同業他社は、モルスタに対するこのところの市場の評価は行き過ぎだ、と指摘している。モルスタからの資金移動はそれほど目立ったものではない、としている。
http://www.ft.com/intl/cms/s/0/c2632ee8-eba9-11e0-943a-00144feab49a.html#axzz1ZRfj3GsK
 http://online.wsj.com/article/SB10001424052970203405504576603253719110960.html?mod=WSJASIA_hpp_LEFTTopWhatNews
 日本では、シティグループに対する行政処分が近く発動される模様だ。過去7年間で3回目。正直、またか、という印象がある。 http://online.wsj.com/article/SB10001424052970204138204576602592252579876.html?mod=WSJASIA_hpp_LEFTTopWhatNews
 バンカメ傘下に入ったメリルリンチの憂鬱。 http://www.nytimes.com/2011/10/02/business/at-bank-of-america-merrill-lynch-profits-but-no-joy.html?_r=1&hp 
 先週の動きのまとめ。ギリシャでは新しい資産課税の導入が認められた。今週月曜日、10月3日には、EU財務省会合が開かれるが、トロイカの検査官がギリシャ見直し作業を完了しないと、次の80億ユーロの支払いは認められない。
 ドイツでは、議会がEFSFの増額を認めた。
 欧州はこの危機に対処する資源を保有しているかのように見えるが、政治的に統一的な意思決定をするメカニズムを欠いている。時間だけが過ぎていく。
 一方、今後の経済統計の見通し。8月は非常に弱く、9月は少し改善するデータが出るだろう。その結果、すでに米国はリセッション入りしているのではないか、という議論が出ている。
 Calculated Risk氏は、リセッションではない、としているが、多くの人にはリセッションのように見えているだろう、という。 
 http://www.calculatedriskblog.com/2011/10/summary-for-week-ending-sept-30th.html
 今週は金曜日に米国雇用統計の発表がある。火曜日はバーナンキの議会証言。
 http://www.calculatedriskblog.com/2011/10/schedule-for-week-of-oct-2nd.html
 セントルイス連銀のブラード総裁の講演(9月30日)。緩慢な経済の回復は、さらなるネガティブショックに対し、米国経済が脆弱になっている。ゼロ金利下では、Fedは従来のような短期の名目金利を通じたチャネルでなく、新たな経路で金融緩和の効果をいきわたらせる必要があるという。  http://research.stlouisfed.org/econ/bullard/pdf/Bullard_San_Diego_September_30_2011_Final.pdf