英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

ハイブリッド再来

 昨日から風が強い。

 5月5日に行われる選挙制度改革をめぐる国民投票を前に、英国では連立政権間の緊張が高まっている。連立政権間のハネムーンはすでに終わった。
 http://www.ft.com/cms/s/0/c34486f0-73df-11e0-b788-00144feabdc0.html#axzz1L9LqPVrS
 http://www.ft.com/cms/s/0/71bb7526-69b9-11e0-826b-00144feab49a.html#axzz1L9LqPVrS
 現行の投票の仕組み(FPTP)は、支持する候補者の名前を1人だけ選び、投票用紙に印をつける。そして、過半数に達しなくても、一番得票の多い候補者が首相になる。
 新しい仕組み(AV)では、候補者のうち、支持する順番に番号をつけて投票する。支持しない候補者に、番号すら書かないこともできる。そして、集計は、過半数に達した候補者がいない場合は、最小得票者を取り除き、二番目に支持する得票を再分配する。そして、これを過半数得票者が登場するまで積み上げる。
 連立与党の自由民主党の間では、新選挙制度のもとでは地方議会で何百もの議席を失う可能性があるとして反対しているようだ。
 連立政党間の公約とはいえ、英国は財政再建といい、選挙制度改革といい、大きな政策テーマを矢継ぎ早にこなしている印象がある。
 
 ドル安が、取引所間の合従連衡を促している。NYSEユーロネクストとドイツ取引所の合併は、ドルの急落で加速されている。ドイツ取引所の株式価値が下落した。
 http://www.ft.com/cms/s/0/a2476b54-7419-11e0-b788-00144feabdc0.html#axzz1L9LqPVrS
 ドル安はバーナンキ議長の発言を契機に生じた。「非常時の政策をやめるに際し、中央銀行はインフレに対して引き続き警戒し続ける」と述べた。

 ハイブリッド証券再来。アジアで、少しでも高い金利を求めてハイブリッド証券が復活し始めているというWSJの記事。
 http://online.wsj.com/article/SB10001424052748704473104576292922966997298.html?mod=WSJASIA_hpp_LEFTTopWhatNews 
 発行体はインドの鉄鋼メーカーやフィリピンの港湾管理会社、中国のコングロマリットなど。
 先週発行されたのは、中国国有企業のChina Resources Power Holdingsで、7・5億ドルの永久ハイブリッド債。金利は7.25%だった。引き受けはゴールドマンとシティグループ、UBS。昨年7月に同社が出した5年物の普通社債金利は3.768%だった。
 今年は、日本を除いて(!)、味太平洋地域で50億ドルのハイブリッド債が発行された。半分以上がドル建て。
 欧州では、ハイブリッド証券は一般的だ。銀行が資本強化のために多用しているからだ。
 発行体側にも事情がある。これからクレジットのタイとニング観測が世界中に強まる中で、資金調達コストを低利で固定しておきたい。2010年の決算が出たばかりで、5月中旬を過ぎると、次の決算まで発行を待たなければならないからだ。