英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

チュニジア余波

 今日は寒いが快晴。朝方雪が降ったようだ。今晩ナイターテニスの予定だが、寒くなりそうだ。

 チュニジア政変は、「チュニジア革命」と銘打たれて報道されている。失業率の高さが不満の一因だとすると、事はチュニジアに限ったことではない。
 http://www.ft.com/cms/s/0/f88ce6f2-209e-11e0-a877-00144feab49a.html#axzz1B5IP1Yo6
 23年間、抑圧的な支配を続けていたベンアリ大統領はサウジアラビアに亡命した。チュニジア北アフリカで最も安定した国とみられていた。民衆暴動が続いている中、軍は静観を続けていたが、革命後の治安は軍が掌握している。独裁の終結を望んだが、治安の混乱を招いてしまった。
 
 アラブ諸国で長い間独裁を続ける政権に対する容赦のない教訓、と題する関連記事。
 http://www.ft.com/cms/s/0/e759a5c6-1f51-11e0-8c1c-00144feab49a.html#axzz1B5IP1Yo6 
 チュニジアの人口は1000万人。小国であり、外交的には諸外国の関心はそれほど高くなかった。しかし、12月以降、暴動が続いており、アルジェリアに暴動は飛び火している。より深刻な事態が起こりかねない。
 きっかけは、経済的な原因だ。若者の高い失業率と、基礎的な生活物資の価格上昇だ。この点、チュニジアアルジェリアは共通している。問題はこの不満が封じ込められるか、また、もっと人口の多いアラブ諸国に波及するかどうかだ。
 アルジェリアはこの点、歴史的には大いに参考になる先例である。1988年に起きた暴動の結果、行われた最初の選挙は取りやめになり、軍隊が大統領を辞任させ、現在も続く非常事態法を発令した。民主主義を求める動きは封殺され、見かけ上の民主主義が行われている。9・11以降の北アフリカでは、アルカイーダに対する闘いが強調されてきた。
 ただ、こうした状況は過去10年間、人権上は問題があるが、平和で経済的には繁栄した地域を生み出した。しかし、現在の問題はその経済成長に起因する。経済成長が増大する失業を吸収し、イスラム原理主義が勢いを増すのを防いできた。
 このアプローチはいくらか成功を収め、テロリストの脅威は和らいでいた。しかし、経済成長は、経済的な不満を抑えておけるほど高くなかった。アルカイーダの変種であるイスラム原理主義はまだ北アフリカの不満分子の大半を吸収するにいたっていない。
 暴力が拡散するに伴い、西側諸国も新たな戦略が必要とされるが、それはあまり好ましいものではない。9・11以降の戦略が別のものに代わるとすると、それは経済成長の果実の分配をより強固に主張することと、テロリズムをバランスさせたものになる。西側諸国も、北アフリカ老いたリーダーたちに寄り添うことが難しくなっている。

 スペインの貯蓄銀行のリストラ策について。 
 http://www.ft.com/cms/s/0/ceee2026-200e-11e0-a6fb-00144feab49a.html#axzz1B5IP1Yo6