英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

カバードボンド

 曇り空。今年もあと2日。大掃除や年賀状書きに明け暮れる。

 30年間、機密指定されていた公文書が公開され、サッチャー元首相の新たな像が浮かび上がった。厳しい財政再建や経済の改革を迎えている英国で、サッチャー元首相のことが見直されているようだ。
 http://www.ft.com/cms/s/0/01df57ae-1397-11e0-814c-00144feabdc0.html#axzz19aEhwNvj
 首相に就任した当初は、内閣の同僚をどのようにコントロールしたらよいか、周囲が彼女にアドバイスする必要性を感じる場面もあった。当初は、公的サービスを大胆に削減し、金融政策上の規律を厳格にする必要性について、閣内に説得するのに苦戦していた。
 閣内から、サッチャーの提案する削減案や戦略に反対する声が出たときは、直接その反対の議論に加わらないよう、助言されていた。
 サッチャーの私設秘書によると、サッチャーは閣内の同僚と対決することに気をもんでいた。一方、別の公文書では、サッチャーのタフな側面も示している。 
 赤字続きの郵便局が借り入れ限度額の拡大を求めてきたとき、サッチャーは「いつも非効率に負け続けてきた。これで終わりなの?」と書いている。
 また、イランのホメイニ師に対し、テヘランで人質にとられた50人の米国外交官を釈放するよう、嘆願した記録も残っている。

 カバードボンドの発行額が記録的水準に達している。
 http://www.ft.com/cms/s/0/64b7c0e6-137e-11e0-a367-00144feabdc0.html#axzz19aK4Hykx
 2010年の金融機関によるカバードボンドの発行額は、3560億ドルに達した。2009年比で20%近い増加。2011年も同様の傾向が続きそうだ。
 通常の証券化商品と比べ、カバードボンドは発行体に遡及するため、安全性が高いとして、投資家に好まれた。 
 発行体は、欧州の銀行が中心だった。ただ、韓国やニュージーランドの銀行も最近発行を始めている。オーストラリアでは、発行のための法整備の検討が進められている。カバードボンド市場にとって死活的に重要なのは、来年の米国における法制化だ。
 欧州の債務危機もあり、国債への信認が落ちている中、カバードボンドへの投資は魅力度を増しつつある。財政の弱く国の国債より、しっかりした資産を持ったカバードボンドの方が選好されている。
 ドイツでは11月に、銀行が破綻した場合に債券投資家にも負担を負わせる法律が可決された。ただ、この債券の中にはカバードボンドは含まれていない。この点もカバードボンドに有利だ。
 
 米国における不動産差し押さえの件数が急増している。
 http://www.ft.com/cms/s/0/3825f4b8-1387-11e0-a367-00144feabdc0.html#axzz19aMjkn8Y
 第3四半期の不動産差し押さえ件数が急増している。債権回収の増加と条件変更の減少は、米国の住宅市場の問題点を示す兆候である。回復を予想するアナリストの意見もあったが。
 第2四半期と比べ、差し押さえに入る住宅の件数は31%増えた。
 
 ブログを徘徊していたら、次のカナダ中銀総裁のスピーチが紹介されていたのを見つける。
 http://www.bank-banque-canada.ca/en/speeches/2010/sp131210.html