英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

ギリシャのストレステスト

 三連休の最終日。渋滞がひどいようだ。世間の流れとは違い、テニスと読書に明け暮れる平凡な三連休。更新は97回目。

 日本は休日だが、世界は平日。
 ギリシャの銀行に対するストレステストが延期されるという。
 http://www.ft.com/cms/s/0/1d650d1a-c410-11df-b827-00144feab49a.html
 ギリシャに一息つかせるために、1ヶ月ほどストレステストを遅らせる。同国最大の銀行ナショナルバンク・オブ・グリース(NBG)は来月17億ユーロの資本調達を控えている。NBGが資本調達に成功すれば、投資家のコンフィデンスも回復し、水面下で進行中のM&Aもうまくいく可能性がある。
 火曜日に予定されている3ヶ月もの国債の入札が、今後のギリシャに対する海外投資家の信頼を回復させる最初のテストになる。
 ギリシャが本当にデフォルトを避けることができるのか、まだ疑念が残っているが、ギリシャを支えようとしているIMF欧州委員会、ECBのトロイカは投資家に対して説得力があったようだ。ギリシャは先週火曜日、2ヶ月ぶりに10億ユーロの資金を調達した。
 ギリシャ国債の発行金利は依然高止まりしているが、海外投資家の買いが少し増えているのは良い兆候だ。10年債の金利はなんと11.54%。これは一年前は4.5%だった。
 
 ジャンク債の価格が危機前の水準に戻っているという話題。
 http://www.ft.com/cms/s/0/dd2f4000-c421-11df-b827-00144feab49a.html
 投資家の需要の強さがこうしたジャンク債の価格を引き上げている。バンカメメリルリンチのインデックスは先週、危機後としては初めて100を超えた。資金がこうしたジャンクボンド市場に回帰している理由は、株式市況の見通しが良くないせい。投資家は先行きゆっくりした成長を見込んでいる。
 新発のジャンクボンドも増えている。2010年は2009年と比べて発行が増えそうだ。ディーロジックによると、2010年に米国の投資家に販売されたジャンク債は1680億ドルに達する。2009年は通年で1640億ドルだった。低金利国債とのスプレッドが依然高く、投資家はジャンク債に殺到している。米国債とのスプレッドの平均は625ベーシス。2007年6月は250ベーシスだったので、まだスプレッドは高い水準だ。

 ハイブリッド債に関する話題。
 http://www.ft.com/cms/s/0/fae4f3aa-c27e-11df-956e-00144feab49a.html
 欧州の4社が今月、ハイブリッド債を発行する。この記事はハイブリッド債を、次のように明瞭に定義している。債券と株式両方の特徴を有しているもので、すなわち定期的な利息の支払いという債券の特徴と、超長期あるいは永久の償還期限と利払いを繰延べできる、という株式の特徴だ。
 ハイブリッド債は当初、企業買収を行う企業の格付けを維持するために開発された。格付け会社は、全額債券で調達するより、エクイティの性質を持つ調達をいくらか評価していたからだ。
 しかし、投資家はハイブリッド債を高利回りの債券とみなすようになっていた。つまり、株式のように元本の上昇を見込めない株式の形態をとった債券というわけだ。債券は期限が来ると元本が償還されるが、ハイブリッド債は、期限が来ると「発行体が」償還するかどうか決める。それゆえ、金融危機の際は資本を必要とした金融機関は、相次いで償還を拒否した。
 
 バーゼルⅢについての話題。
 http://www.ft.com/cms/s/0/1185b16c-c27f-11df-956e-00144feab49a.html
 新規制によって金融危機の再発を防ぐことができるかというと、それには疑問がある。問題の核心はリスクアセット。

 Calculated Riskより。
 http://www.calculatedriskblog.com/2010/09/fomc-statement-preview.html
 21日のFOMCを前に、8月のFOMCのポイントを振り返っている。
 一つは経済の減速をどの程度評価するか。8月の声明は6月より悲観的になっていた。それ以降も経済指標は弱いままだが、これ以上の悪化は示していない。火曜日のFOMCでも最初の段落の表現は同じと予測する。
 2つめは、デフレに対して、どの程度FOMCが関心を示すか。インフレ期待は低下しつつあり、FOMCは現状の「安定的」という物価見通しを変更するかもしれない。この点はFOMCにおける議論のキー論点になる。
 3つめは、Fedの再投資戦略を変えるかどうか。現在、Fedは保有する証券残高を維持する方針だ。この点はおそらく変更はないだろう。