英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

スペインの銀行破たん

 今日は雨。予報によると、終日降り続くそうだ。ナイターテニスはお預けだろうか。

 クルーグマンのコラムが気になっている。 
 http://www.nytimes.com/2010/05/21/opinion/21krugman.html?src=twt&twt=NytimesKrugman

 失われた10年が差し迫っている?われわれはギリシャではないが、ますます(more and more)日本のようになってきている、という書き出しで始まる一文だ。
 最近の指標から判断すると、米国はギリシャ型の破綻(投資家の信認の崩壊)に向かっているのではなく、高い失業率と低成長が続く、日本型の失われた10年パターンにはまり込もうとしているとの主張だ。
 クルーグマンは一例として、長期金利の変動を挙げる。最近、金利が低下しているのは、財政の先行きに対する楽観主義が現れているのではなく、経済回復への悲観論を反映している、と解釈すべきであるという。それゆえ、政策対応として重視すべきなのはインフレではなく、財政による刺激策である、という結論が導き出される。

 一方、スペインでは、比較的大規模な銀行が、政府の管理下におかれることになった。
 http://www.businessweek.com/news/2010-05-22/regulator-seizes-cajasur-lender-hurt-by-bad-loans-update1-.html

 CajaSurという、コルドバに本拠を置く、総資産190億ユーロ、486拠点を持つ銀行。政府のリストラファンドの管理下に置かれることになった。原因は不動産融資の焦げ付き。これまで検討を進めてきたUnicajaとの合併が不調に終わったことも背景にあるようだ。スペインでは、上限990億ユーロの資金が用意され、苦境に陥った銀行の再編を促している。期限は今年の6月。合併がうまくいかなかったというのは、よほどCajaSurの財務が悪いのだろうか。

 英国では、公務員の首切りが始まりそうな気配。30万人の公務員がカットされるとの予測が出ている。より財政事情が厳しいはずの日本で、取り上げられるのは消費税の導入論議ばかり。GDP比では、諸外国、先進国と比べて、日本の公的セクターの比重は低いそうなのだが、日本で公務員の身分はまだまだ聖域なんだろうな。
 陰鬱なニュースばかりの日々・・・。