英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

フィヨン氏勝利

 インドネシア情勢がきな臭い。中華系住民の間で不敬罪を名目にした捜査への恐れが台頭している。1998年の蜂起の際の記憶は依然として鮮明であり、差別待遇は終わっていないと受け止められている。
 差別や迫害に長いあいだ苦しめられてきた中華系インドネシア人がジャカルタ州知事に対する抗議行動を路上で行った。中華系住民のほとんどがキリスト教徒か仏教徒であり、インドネシア社会で強硬派のイスラム勢力がますます組織化され、影響力を持つようになっており、緊張が高まっている。その結果、投資環境への影響やスハルト氏時代に起きた1998年の虐殺後、勃興した民主主義への影響が懸念されている。
 ここ数週間、街頭には20万人もの群衆が繰り出し、中華系知事への迫害を訴えている。インドネシアの人口のうち、中華系は2%に満たない。多くの人々は19世紀にわたってきた移民の子孫で、先祖は鉱山やプランテーションで働いていた。
 彼らは迫害を受けてきたが、今日富裕なインドネシア人の多くは中華系である。彼らのうちのある人々はスハルトと密接なつながりを持ち、富をたくわえた。
 今回問題となっている中華系の州知事は火曜日に検察官に起訴する準備をしているということで、警察の尋問を受けた。もし有罪なら5年の懲役刑が課せられる。
 http://www.wsj.com/articles/in-indonesia-fears-rise-among-ethnic-chinese-amid-blasphemy-probe-1480161601
 フランス大統領選の右派候補には、ジュペ氏を退けたフィヨン氏が選ばれる見通しとなった。数百万人のフランス人有権者が日曜日に投票所に向かい、中道右派共和党の大統領候補を選んだ。ガーディアン紙より。
 フランスは米国のようなスタイルの予備選挙方式を採用している。まず共和党が大統領候補を選ぶ。社会的には保守的で経済的にはよりラディカルなフィヨン氏が、より穏健なジュペ氏を破った。
 ブレグジットやトランプ氏の選出に象徴されるようい、世界的に反エリート、反体制派という怒りのうねりが押し寄せている。フランスでもだれが勝利するにせよ、ルペン氏率いるナショナルフロントの挑戦を受けることになる。フィヨン氏は金曜日の最後の選挙戦で、「私は起業家のようにできることすべてを行う」と宣言した。フランスでは失業率が10%近く、この比率を引き下げるために雇用の創出が優先課題となっている。
 ジュペ氏はフィヨン氏の中絶妊娠に対する姿勢やゲイ結婚に対する考えについて焦点を当てた。また、フィヨン氏がロシアのプーチン大統領と近しい点も問題となりそうだ。
 https://www.theguardian.com/world/2016/nov/27/french-conservative-primary-francois-fillon-expected-to-beat-alain-juppe