英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

ヒラリーのパラドクス

 晴れ。錦織君、全米8強進出おめでとう。
 米国の大統領選挙について。フロントランナーである民主党ヒラリー・クリントン氏には多くのパラドクスがある。彼女は選挙戦をリードしているが、最後に勝利にするにはいくつもの障害物がある。
 ヒラリー候補をみる見方として、こういうものがある。彼女はここ数年において、もっとも大統領候補として資格のある人物であり、内政にも外交にもよく通じ、党派の利害を調整できる能力のある中間派である、というものだ。
 しかし、もう一つ、ヒラリー氏をみる視点がある。彼女は今年最悪の候補になりうる、というものだ。有権者の多くが厭う政治の体制派をもっとも体現する人物であり、秘密の多いインサイダーである、と。
 実際、両方をみるのが適切であろう。一口で言うと、彼女はパラドクスの見本のような人物だ。彼女は米国でもっともよく知られた人物である。世論調査によれば、わずか10%しか、彼女にニュートラルな感情をいだいておらず、誰もが彼女について何らかの感情を抱いている。
 しかし、その知名度にも関わらず、謎の多い人物でもある。かつてベトナム戦争時代はリベラルであり、1990年代は民主党の中間派と共和党の保守派から、恐れられた。
 2016年のいま、彼女は同じ左派から進歩的な考えでなく、中途半端な中間派だとして攻撃されている。それは、ヒラリー氏が進歩的なリベラルの好むヘルスケアプランを採用しようとしないからだ。
 彼女はかつて、オバマ大統領とよく知られているように緊張関係にあったが、選挙戦がオバマ大統領次第ということもあり、大統領の支持を得ることに成功した。
 http://www.wsj.com/articles/the-many-paradoxes-of-the-front-runner-hillary-clinton-1473094667