英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

政府の役割の再評価

 政府の役割の再評価である。バランスのとれた議論を展開しているように思うし、大変興味深い。
 米国人は自身に仕える政府の役割を忘れ去っているか、評価できないでいる。過去6年間、約8割の米国人は政府のことを怒っているか、フラストレーションを感じている。そういう彼らがサンダース氏やトランプ氏を支持している。そして、半分以上の有権者が、このまま生活コストが上昇することを維持できないと答えている。
 しかし、こうした状況は不可避的ないくつもの要因によって引き起こされている。白人男性が政治的な力を持っていた時代や大学卒業していない若い成人が給料の良い仕事に就くことのできる時代は再びやってこない。
 しかし、まったく何も実施されえないわけではない。こうした不満を抱く多くのアメリカ人が気づいていないことだが、政府がよりしっかりしていれば、生活水準の向上は果たせたかもしれない。
 先月、4人の学者たちが、「政府はどの程度大きくなるべきか」という本を出した。政府の規模は常に小さいほうが良いという国民的な本能は、事実ではなく、イデオロギーや政治的な問題に起因していると論じている。現代の資本主義の歴史を通じて検証される事実は、より大きな政府がより安全で、機会があり、より公正な富を実現できうると論じている。
 政府の役割として重要な4つの任務がある。一つは経済の生産性を向上させること。労働者の経済的な安全を確保すること。低所得の家族に対し、教育の機会を与えること。最後に中間層を手厚くすることである。
 http://www.nytimes.com/2016/08/03/business/economy/rethinking-the-role-of-government-in-society.html?partner=rss&emc=rss&_r=1
 最適な政府の規模を論じた本はこちら。
 http://www.ucpress.edu/book.php?isbn=9780520291829