曇り。
ややリスクオンモードに戻ってきている。
米国の株価は上昇し、高値を更新している。ダウは更新。ナスダック指数は今年プラスに転じた。テクノロジー系の企業の割合の高いナスダックは今年の先行きを不安視するアナリストにとって勇気づける兆候となっている。
過去4年間、とくにナスダックは出遅れが目立っていた。
http://www.wsj.com/articles/global-stocks-continue-to-rebound-1468310144
国債金利は2日間連続で上昇。日本の刺激策と英国の政治的混乱が緩和されるとの期待から債券が売られている。
http://www.wsj.com/articles/investors-trim-u-s-government-bond-holdings-as-global-fears-ease-1468335434
Duy教授はお休みモードだったようで…。先週以来のニュースの整理。
まず、雇用統計は予想よりよかった。新規雇用者数は287K。雇用統計特有のブレを意味しているとも言える。毎月の数字に一喜一憂するのでなく、3カ月平均、1年平均でみるほうが良い。その意味で1年平均だと減速は緩やかだが、3カ月平均だと減速ぶりははっきりしている。
Duy教授の解釈では、今後失業率の改善が進んでいくとFed幹部を説得するのに十分な数字であるという。
2つめに、影響力のあるFed幹部が忍耐を説いている点だ。典型がタルーロ理事。「ホットな状態にある経済ではない」と述べた。タルーロ理事は、エバンズルールのような一種のしきい値を求めている。
タルーロ理事は同時に、低インフレが資産バブルを引き起こすという懸念は差し迫ったものではないと述べた・銀行などの規制を担当するタルーロ理事がそのように述べたということは、利上げをして金融システムの安定を守る必要があるという意見がそれほど差し迫ったものではない、ということを意味している。
彼が懸念しているのは、イールドカーブのフラット化。たしかに銀行に与える影響は大きい。
NY連銀のダドリー総裁も呼応している。
3つめはマーケットウォッチに掲載されたサンフランシスコ連銀のウィリアム総裁のインタビュー。一読の価値があるという。ポイントは2つ。一つは、ウィリアムズ総裁は、成長のインバランスを防ぐために先制して動く必要があるという論者であることだ。彼の認識はあまりに長く待ちすぎて、経済が強すぎるリスクが出ている、というものだ。
2つめは、Fedと市場との接続の悪さを指摘している。
最後に議事要旨について。FOMCメンバーよりも議事要旨の参加者の分裂のほうが大きいことがはっきりしている。
結論として注目はタルーロ理事で、彼のハト派発言は、昨年末の決定を悔いている証左であるとみている。
http://economistsview.typepad.com/timduy/2016/07/catching-up.html
これがマーケットウォッチのインタビュー。
http://www.marketwatch.com/story/why-san-francisco-feds-williams-says-us-jobs-growth-is-still-very-good-2016-07-05