英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

トランプ発言の背景

 雨。
 ブリュッセルの続報である。厳戒態勢は火曜日まで続ける予定だ。水曜日には学校や地下鉄を再開する予定だという。ただ、パリテロに関わったとされている26歳の男の捜索は依然として続いている。
 http://www.wsj.com/articles/brussels-on-edge-as-lockdown-continues-1448280916
 FTは容疑者逮捕と報じている。
 http://www.ft.com/intl/cms/s/0/e6e5fb22-91dd-11e5-bd82-c1fb87bef7af.html#axzz3sMTWngGz
 欧州経済は堅調のようだ。PMIインデックスは4年ぶりの高水準を記録している。11月は54・4となり、10月より上昇した。50を超えた状態が続いている。
 しかし、その一方で企業物価の下落は続いている。商品価格は下落が続き、投入コストは上昇していないのにも関わらずだ。デフレ圧力は継続しており、ECBの追加的な量的緩和への期待が高まっている。
 http://www.ft.com/intl/cms/s/0/82dd3a00-91d8-11e5-94e6-c5413829caa5.html#axzz3sMTWngGz
 トランプ候補の評判。過去の大統領選で何人もの共和党候補にみられたように、トランプ候補の扇動的な発言はけっして珍しいものではない。
 先週末にも、ひと悶着あった。トランプ候補はアラバマで、「数十万人ものニュージャージーの住民が9・11テロでワールドトレードセンターが倒れるのを祝っていたのを見た」と述べた。彼が言いたかったのは、ムスリム系の米国人がテロ攻撃を祝福していた、ということだ。そういう噂があることは事実のようだが、何の裏づけもない発言である。
 同様の発言は過去何度も行っている。ジョン・マケイン上院議員に対し、彼は戦争のヒーローなどではない、と述べた。
 トランプ候補の発言の背景には何があるのだろうか。
 米国はイラク戦争アフガニスタン戦争という2つの長く、満足のいく結果の得られていない戦争を経験している。多くの米国人がもう復活できないと感じており、2007年からのリセッションからも回復できないだろうと思っている。人口動態の変化やゲイ同士の結婚の広がりなど文化的な変容にも置いてきぼりにされたような感覚を相当数の米国人が持っている。
 その結果が不安と怒りの交じり合った感情だ。とくに共和党の支持者たちはオバマ大統領だけでなく、共和党自身がそうしたトレンドに反転攻勢できないことにいらだっている。
 http://www.wsj.com/articles/why-donald-trump-survives-the-waves-he-makes-1448298057?cx_campaign=poptart&mod=cx_poptart#cxrecs_s