英字紙ウォッチング

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フィッシャー講演

 雨。
 フィッシャー副議長。米国のインフレ率が2パーセントに到達しなくても、引き締めに動いても良いと述べた。米国のインフレ率は2パーセントに達しないが、低いながらも底堅いインフレ率であると考える十分な理由があるという。
 インフレ期待はしっかりアンカーされており、もし現在インフレ率を押し下げている要因、原油価格の下落や輸入物価の下落が消え去れば、物価が上昇すると信じる十分な理由があると述べた。次のFOMCまで後3週間ほどしかないが、フィッシャー副議長はFOMCの決定に関する手がかりを与えなかった。
 ただ、一つの手がかりは9月4日に発表される8月の雇用統計の数字だ。過去3ヶ月間の平均新規雇用者数の増加幅は23・5万人。フィッシャー副議長いわく、これは労働市場を強化し続けるのに必要十分な雇用者数の増加幅だという。
 インフレ率については、労働市場が改善しているのに、コアインフレ率が高くなる明確な証拠は見つけられていないという。インフレ率に何らかのスラックがあることを示しているが、この影響はそれほど大きくないと考えられる。
 http://www.wsj.com/articles/feds-fischer-good-reason-to-think-u-s-inflation-will-move-higher-1440865560
 フィッシャー副議長の講演は下記の通り。タイトルは「米国のインフレ率の展開について」。
 7年前、米国の失業率は10パーセントに達していた。しかし、その時期以降もインフレ期待は安定していた。しかし、過去2、3年間はコアインフレ率が上昇していく明確なサインは見出せていない。
 その理由はいくつかある。一つは、コアインフレ率はある程度原油価格に影響される。しかし、もっとも影響されるのはドルの価値だ。過去1年間のドル高はインフレ率が低位にとどまった大きな理由だ。さらに、ドル高は総需要の伸びや経済活動を抑制する。
 http://www.federalreserve.gov/newsevents/speech/fischer20150829a.htm