ドイツの貿易黒字は問題なのだろうか。バーナンキ前議長のブログに触発された記事。グローバルインバランスの問題を考察している。
ドイツの貿易黒字は2000年を境に急増している。労働市場改革と民間貯蓄率が増加したことと関係している。
バーナンキ前議長の主張は、ドイツの貿易黒字は永続しないというものだ。もし赤字国の需要が不足すれば、ドイツの貿易黒字もこれ以上増えないことになる。貿易黒字の余剰は、ドイツ国内の公共事業などに使うほうが良いことになる。
ドイツは他のユーロ加盟国の犠牲のもとに繁栄しているという言い方があるが、事実は異なる。ドイツの貿易黒字は約2000億ユーロ。このうち、ドイツ以外のユーロ諸国との間で生じた貿易黒字は300億ユーロ。これはドイツのGDPの1%に過ぎない。しかも、ピークである2007年の1000億ユーロから減少している。
そもそも貿易不均衡が望ましくないとはいえない。グローバルインバランスのない世界は、ある意味金融的に自給自足経済の集合体に過ぎないからだ。
http://andolfatto.blogspot.jp/2015/08/is-germanys-trade-surplus-problem.html