英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

テイラールールは有用か

 最適な政策金利を導き出す数式として、もっともポピュラーに用いられているテイラー・ルール。デロング教授は、このテイラールールを使うのをそろそろやめようか、と告白している。テイラー教授は、このルールは過去20年にわたる最適な金融政策の研究の結果、生まれたものだと主張しているが、それは成功していないという批判がある。
 そう考えられるようになったひとつの原因は、ジョン・テイラー教授による、執拗とも言えるバーナンキ議長攻撃だ。
 http://equitablegrowth.org/2015/05/28/ben-bernanke-vs-john-taylor-give/
 ミネアポリスのコチャラコタ総裁の講演。過去8年間の労働市場について言及している。米国の労働市場はけっしてニューノーマルにとらわれているわけではなく、特に2014年に入って急速に回復している、と主張している。しかし、労働市場が2006年のレベルに戻るには、この好調な2014年の回復があと3年間続く必要があるという。つまり、金融政策を正常化するには時期尚早である、というのがコチャラコタ総裁の結論だ。
 具体的には、2006年から09年にかけての3年間で、労働者の5%に相当する人々が働きたくても十分労働力として活用されない時期が続いた、と指摘する。
 https://www.minneapolisfed.org/news-and-events/presidents-speeches/room-for-improvement