英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

欧州の亀裂

 曇り。

 恒例の第1金曜日がやってきた。1月分の米国雇用統計で、失業率は9%に下落。債券金利は上昇し、欧州や中東の問題に対する懸念は薄らいだ。
 http://www.ft.com/cms/s/0/782f247a-2d0a-11e0-9b0f-00144feab49a.html#axzz1D37XTL5T
 米国雇用統計では、3万6000人の増加。エコノミストの事前予想は15万人だったが、それを下回った。しかし、失業率は予想外の下落を示し、9%にダウン。予想はちなみに9.5%への上昇だった。
 失業率の予想以上の改善により、Fedの早期利上げ観測も浮上している。ただ、バーナンキ議長は、利上げについて慎重な発言(dovish comments)を続けている。
 米国債金利は上昇し、10年債は10ベーシス上昇して3.66%に。昨年12月から1月までは3.3%から3.5%のレンジを推移していたが、それを抜けた。
 5年債の金利も上昇し、2.27%に。

 ドイツとフランスの共同提案をめぐり、ユーロ圏諸国の間に亀裂が走っている。
 http://www.ft.com/cms/s/0/792a5ace-306c-11e0-8d80-00144feabdc0.html#axzz1D37XTL5T
 独仏案は、通貨ユーロを採用する17カ国すべてに、経済政策の協調を求めるアイデア。これに強い反対があがっている。
 金曜日の欧州首脳会合で、メルケル首相とサルコジ大統領が共同提案した。3月初旬に特別会合を開き、加盟国に合意するよう求めた。
 しかし、ユーロ加盟27カ国のうち、半数以上から反対の声があがった模様だ。その中には、親ドイツとみられるオーストリアやオランダも含まれている。

 ちょっと古いが、Fed絡みの記事。Fedによる資産買い取り政策が食料価格の高騰を引き起こしているとの批判に反論している。木曜日のバーナンキスピーチで。
 http://www.ft.com/cms/s/0/5c4aeaea-2fbd-11e0-91f8-00144feabdc0.html#axzz1D37XTL5T
 バーナンキ議長は、エジプトのような新興国も過剰な需要に対処する手段を持っている、と反論した。Fedの量的緩和で創出された過剰流動性が、新興国コモディティ市場に流れ込み、バブルを引き起こしているとの批判に対する反論だ。
 新興国のインフレは、富裕化に伴う需要の増加と、インフレに対処する政策の失敗が原因、とした。いくつかの国では、金融政策や為替政策でコントロールできるはずなのに、そうしなかったという。
 また、バーナンキ議長はスピーチの中で、議会に対して特に拡大している財政赤字への対処も求めた。

 「QE2は効果があがっているか?」。英エコノミスト誌のQE2に関する論評。3日のバーナンキスピーチを受けたものだ。
 http://www.economist.com/blogs/freeexchange/2011/02/monetary_policy
 バーナンキ議長はQE2によって失業率が引き下げられ、2012年までに7.7%〜8.2%程度まで下がると予測している。しかし、マーク・トーマ教授は、この失業率の低下は、QE2の効果あり、と言ってよいものか、疑問を投げかけている。