英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

超長期債

 今日も快晴。少し寒さがやわらいだような気がする。

 米国財務省が償還期間が100年近い超長期債の発行を促されているという記事。狙いは政府の借り入れコストの低減だ。
 http://www.ft.com/cms/s/0/2d82b990-2eff-11e0-88ec-00144feabdc0.html#axzz1CoVZVHGR
 現状のマチュリティは30年。フランスや英国、中国は50年債を発行している。米国債の平均償還年数は59ヶ月で、これを伸ばすことは低金利での債券発行のメリットがある。
 財務省内のアドバイザリー委員会が提言した。メンバーにはゴールドマンサックスやJPモルガンチェースなどの金融機関が入っている。また、ソロスファンドやムーアキャピタルなど、ヘッジファンドの連中も入っている。
 投資家は長長期債の発行を歓迎しそうだ。その需要の規模は、今後5年間で2兆4000億ドル規模にのぼると推測されている。ドットフランク法の施行やバーゼル3も影響している。
 
 目を転じてポルトガルの話題。
 http://www.ft.com/cms/s/0/c6d8cf3c-2f02-11e0-88ec-00144feabdc0.html#axzz1CoVZVHGR
 ポルトガルの借り入れコストは1週間前、持続不可能とされる7%超に近づいていた。アイルランドギリシャに続き、リスボンも数十億ユーロの救済を必要とすると金融市場はみなしていた。だが、現在はそうではない。
 水曜日、ポルトガルの債券金利は6.76%まで低下した。過去3週間で最低の水準だ。これはECBの介入のせいではない。むしろ、ECBはユーロ圏の債券購入オペを見送っている。
 原因は、短期債の入札が成功裏に終わったからだ。これがユーロ圏の首脳の楽観論に火をつけた。
 ただ、ポルトガルの借り入れコストは依然高く、今後数週間、ポルトガルはクリティカルな時期を迎えるだろう。
 金曜日にはユーロ圏首脳会議が開催される。そこで、4400億ユーロの救済ファンドの修復措置が議論される。ポルトガルは3月のEUサミット後に95億ユーロの債務のリファイナンスを迎える。4月と6月にも一部の借り換えがある。
 ポルトガルでは、救済は不要であるとのコンセンサスが固まりつつある。
 ギリシャアイルランドでは、救済パッケージを受けたことで、銀行預金が減少し、キャピタルフライトが起きている。個別の救済措置は機能しておらず、維持不可能だとの指摘がポルトガル国内ではあがっている。
 ポルトガルソクラテス首相は、ポルトガルはマーケットで資金をとれると自信満々だ。ポルトガル国民全員が、ソクラテス首相と同じ自信を持っているわけではないが、政府内には、財政赤字の削減が可能だと思っている強い意見がある。 
 金融市場の意見は分かれている。今年のマイナス成長や高い借り入れコスト、第2四半期のリファイナンスの重荷を考えると、ポルトガルには救済を求める以外の選択肢はほとんどない、とみる意見がある。今後数ヶ月で100億ユーロのリファイナンスを必要とする。
 一方、今後数ヶ月のリファイナンスはうまくいくとみる意見もある。

 アイルランドは格下げにも関わらず、金利は低下した。
 http://blogs.ft.com/money-supply/2011/02/02/irish-yields-fall-despite-rating-cut/
 格下げでシングルAマイナスに。一方、10年債の金利は20ベーシス低下。8.8%(!)だ。