昨日はあっけない幕切れ。中国の漁船の船長が政治的配慮で保釈された。これで中国はますます権柄づくになり、日本も反中ナショナリズムが勢いづくだろう。互いのナショナリズムを刺激しない、オルタナティブはなかったのだろうか。
金曜日の米国株式は上昇した。9月は過去10年で最高のパフォーマンスを記録した月になったという。
http://www.ft.com/cms/s/0/8b2b2b0a-c824-11df-ae3a-00144feab49a.html
二番底懸念が薄らいだことに加え、キャッシュリッチな企業が自社株買いを積極化させたことが原因だという。
ただ、この株価上昇は、商いの増加を伴っているわけではない。
ノルウェイの中央銀行が、金融危機前の財政状況を誤報告したとして、シティグループを告訴した。その結果、4400億ドルという世界で二番目に大きいノルウェイのSWFは巨額の損失を被ったという。
http://www.ft.com/cms/s/0/7b35e5b0-c800-11df-ae3a-00144feab49a.html
告訴の対象はビクラム・パンディットとチャック・プリンスの現・前の両CEO。シティは反論している。
このSWFは原油収入が原資になっている。2008年には運用資産の23%を失った。ただ、現在は大半の価値が回復している。シティは昨年にもアブダビの投資公社から訴えられている。
お次は、債券トレーダーとFedをめぐる話題。
http://www.ft.com/cms/s/0/db9775d0-c7fc-11df-ae3a-00144feab49a.html
先週のFOMCで、インフレ懸念が後退したことで、Fedが本格的な追加量的緩和、すなわちQE2に乗り出すのではないかとの観測が、債券トレーダーの間で浮上した。
Fedの2つの政策目標のうち、物価の安定はインフレ懸念の後退で後景に退き、失業率がなかなか低下しないことで、もうひとつの目標である雇用の確保が前面に出てきた。
デフレの危険が広がる前に、Fedはトリガーを引くのではないかというのだ。
投資家の関心は、追加量的緩和がいつ始まり、その規模がどの程度かに集中した。この問いの答えは11月のFOMCで出されるだろう。
市場を驚かせるなら、1兆ドルという規模も考えられる。これは市場に流通している米国債の12%に相当し、世界の金利のベンチマークに影響を与える。
ディスインフレやデフレを予防するには、大規模な追加緩和が考えられる。
一方、ドル安によって、商品価格は実質的に上昇している。そして、米国経済は輸出が増え、輸入価格が上昇している。
他の中央銀行による米国債購入、という考え方もありうる。
マネーサプライより。バーナンキ議長がプリンストン大学でスピーチを行った。
http://blogs.ft.com/money-supply/2010/09/24/bernanke-the-economists-are-alright/
金融危機が経済学に与えたインプリケーションがテーマ。大半の経済学の理論は正しかったが、政策当局者が最新のものにアップデイトできず、反応も遅れたとしている。スピーチの大半はミクロ経済学に割かれている。これは、批判が危機を予測できなかったマクロモデルに向けられていることを考えると、少し奇妙なことである。
この点について、バーナンキ議長はマクロモデルは危機を予測するようにはできていないとしている。標準的なモデルは低いインフレ率、安定的なマクロ経済環境という、過去20年の先進国で継続していた危機でない時期を対象にしている。