英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

トリシェの怒り

 昨夜のテニスは涼しくて気持ちよかった。ようやく暑さもピークアウト。

 たまっていたマネーサプライのチェック。
 まずはトリシェ。
 http://blogs.ft.com/money-supply/2010/09/10/trichet-was-outraged-by-slovakias-loan-refusal/
 スロバキアギリシャ支援への参加を拒否し、同様の行動をとるユーロ加盟申請国は認めない、という、トリシェの怒りをロイターが伝えている。こういう行動を認めると、豊かな国が貧しい国を支援しようとしなくなると懸念しているのだという。
 だが、このトリシェが言ったとされるコメントは思い付きだ。
 問題はスロバキアの豊かさ度合いだが、ユーロ加盟16カ国中、スロバキアは最貧国だという。先月、スロバキア議会は、ギリシャ支援ローンへの拠出(1100億ユーロのうちの8・16億ユーロ)に反対した。

 次回9月21日のFOMCについて。
 http://blogs.ft.com/money-supply/2010/09/08/a-quick-thought-on-the-next-fed-meeting/
 9月のFOMCで経済見通しをアップデイトする。6月と比べ、経済成長率は下方修正、失業率も上方修正する模様だ。ただ、ジャクソンホールでのバーナンキスピーチから判断するに、追加金融緩和に動くことはなさそうだ。

 Calculated Riskより。
 http://www.calculatedriskblog.com/2010/09/oecd-paper-eu-stress-test-and-sovereign.html
 ストレステストの結果の詳細。銀行勘定、トレーディング勘定ごとにソブリン債エクスポージャー詳細を分析している。トレーディング勘定のヘアカットは約260億ユーロで、PIIGS分は144億ユーロ。
 問題は銀行勘定。問題の一つは、トレーディング勘定よりエクスポージャーが大きいこと。全体の83%を締める。トレーディング勘定と同じヘアカット率を適用すると、損失は1390億ユーロと想定される。これは、2009年末時点の欧州銀行のTier1資本の12%に相当する。もし、トレーディング勘定分のロスも加味すると、損失は1650億ユーロ、Tier1資本の14%だ。
 EUのストレステストは、銀行が保有するトレーディング勘定のみ評価されていたが、より大きな割合を占める銀行勘定も加味する必要がある。