英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

円高

 暑さは変わらないが、風は強い。
 日経新聞円高関連ニュースを大展開。先月のストレステストを機に、世界経済の関心は欧州から米国経済の先行きに移ったとはっきり感じる。
 
 FT電子版トップは世界の株式市場が下落している話題。
 http://www.ft.com/cms/s/0/db33f0a0-a574-11df-a5b7-00144feabdc0.html
 米国を中心とした経済先行き見通しの不安定さを理由に株式から投資資金が逃げ、安全とされる債券に流れ込む、これまでと変わらない構図。債券利回りは米国、ドイツとも記録的に低い。円は15年ぶりの高値に。
 
 マーケット概況から。
 http://www.ft.com/cms/s/0/56a25ad8-a516-11df-b734-00144feabdc0.html
 6月の米国貿易赤字も拡大。中国の産業生産も2年ぶりの低水準に。
 BOEのキング総裁は、インフレ見通し報告で、経済成長は目標より低い水準に減速しそうだと述べた。BOEの量的緩和政策は続けるが、その規模の拡大は考えていないようだ。
 ドイツ国債は11ベーシス下落して、2.43%に。日本国債は0.999%。米国債は7ベーシス下落して2.69%に。
 
 ヘッジファンド米国債投資を積み増しているという話。
 http://www.ft.com/cms/s/0/d7063d32-a554-11df-b734-00144feabdc0.html
 ボラティリティが高まっていることと、Fedの介入により、市場の価格決定の非効率が生じており、収益をあげる機会が高まっている。10兆ドルの取引ボリュームのある米国債取引において、ヘッジファンドは現在2割を占めている。ムーアキャピタルやチュダー・インベストメントのような、いわゆるグローバルマクロ戦略をとるヘッジファンドはにとって、こういう局面はアービトラージのチャンスだ。
 価格決定の不均衡は、レラティブバリュー戦略にとってチャンスをもたらす。

 バーナンキ議長の話題。
 http://blogs.ft.com/money-supply/2010/08/11/bernankes-bazooka/
 量的緩和の再開は、バーナンキ議長にとって「bazooka」だとたとえている。フレディーマックとファニーメイを救済したとき、ポールソンは実際に発動することはないが、政府が2社を救済する意思を示すことが重要で、そのことで市場は信認する、と述べた。しかし、事態は逆になった。今度はバーナンキ議長の出番で、Fedも必要であれば、出て行く準備があると述べたが、ポールソンの二の舞にならなければよいが・・・。

 欧州の金利が正常化しつつあるという。
 http://blogs.ft.com/money-supply/2010/08/11/rate-normalisation-in-europe/
 しかし、概して東部地域は引き下げで、北部地域は引き上げを続けている。