英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

小麦高騰と債券市場

 今日も一日暑かった。珍しく早い帰宅で夜の更新。

 FT紙のマーケット記事から。日銀の今日の金融政策決定会合について。金融政策に変更はなかった。今晩のFOMCの前哨戦として紹介されている。
 http://www.ft.com/cms/s/0/bfc81c8e-a44c-11df-abf7-00144feabdc0.html
 タイトルはBOJとなっているが、中身はFedの話題が中心。債券買い取りという量的緩和に着手するとの観測で、世界の株価は若干持ち直している。中期債をFedが買い入れるとの思惑から、債券金利も下がった。

 ゴールドマンが第2四半期のトレーディングで10日間、損失を出したとの話題。
 http://ftalphaville.ft.com/blog/2010/08/10/310061/digging-into-goldmans-trading-losses/
 同社の第2四半期決算が減益となったのは、エクイティトレーディングの不振が原因とされている。だが、難しくてよく内容が分からない。
 
 ロシアの穀物輸出禁止がインフレ、ひいては債券相場に影響を与えようとしている点について。
 http://ftalphaville.ft.com/blog/2010/08/10/310776/inflation-indices-and-bond-markets-wheat-themselves/
 小麦価格はこの1ヶ月上昇し、インフレ指標に影響を与えている。このことは、欧州の債券や新興国の債券市場にも影響がある。
 まず欧州。小麦価格と食料品価格には相関関係があるが、小麦価格高騰が食料品価格に跳ね返るまでには6ヶ月ほどのタイムラグがある。

 The economist電子版より。PEのサーベラスに関する記事。
 http://www.economist.com/node/16702039
 クライスラーやGMACへ投資し、その投資の失敗から雌伏の時を過ごし、その創業の精神(ルーツ)に戻ろうとしている話題。
 死者の国の門番をつとめるギリシャ神話の3頭犬・ケルベロスに由来する同社は、1992年にディストレス債券投資のヘッジファンドとしてスティーブ・ファインバーグが創業。次第に破綻企業の買収を手がけ、ついには230億ドルの運用資産があるプライベート・エクイティに成長した。
 しかし、2008年終わりには30人の人材を雇い、MBSに収益機会を得ようとしたり、原点回帰を目指している。ここ2年間ほどは、PE投資より、債券投資や破綻債券投資に関心を集中させているという。昨年は10億ドルの破綻債券投資ファンドを立ち上げた。
 GMACとクライスラーに対する、米国政府の310億ドルにのぼる公的資金注入にも関わらず、サーベラスは成長を目指そうとしている。
 2008年には流動性危機に陥った投資家から、投資資金の償還要求が相次いだが、サーベラスはその要求を延期した。しかし、投資家からは「最近、ヘッジファンドに求めるのは透明性と流動性」という声もあがる。しかし、サーベラスはこの2点において、条件を満たしていない。