英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

ストレステストとJCフラワーズ

 今日は午前と午後に1〜2時間ずつテニス。休憩しつつ運動したが、暑さに体の全精力が奪い取られていく感じ。

 コメントはやはりストレステストの結果から始めよう。
 http://www.ft.com/cms/s/0/c14b9464-9678-11df-9caa-00144feab49a.html
 ジリアン・テットの動画付き。
 7銀行がテストに引っかかった。予想より少なかった印象。FTでも同種のコメントを引用している。この結果が完全に消化されるのは、月曜日を待たなければならないようだ(下記マーケット記事参照)。
 http://www.ft.com/cms/s/0/f4ac5dae-962b-11df-96a2-00144feab49a.html
 また、引っかかったというのは、テストでストレスをかけた結果、必要な資本(Tier1で6%)を満たさなかった、という意味だ。ストレスは、マクロ経済といソブリン債務についてかけた。しかし、投資家はテストの仮定や7銀行と少なかった結果に不信を抱いている。
 7銀行中5行がスペインの貯蓄銀行cajasだった。残りは、ドイツのヒポ・リアル・エステートとギリシャのATEバンク。7行の資本不足額合計は35億ユーロだった。また、イタリアの銀行やドイツのゆうちょ銀行(Postbank)もストレス後のTier1が6%すれすれだった。
 テスト直前に、資本増強を公表する銀行もいくつかあったようだ。
 北スペインのcajaは、JCフラワーズを引き受け先とする4.5億ユーロの転換社債を発行した。
 ここでJCフラワーズの名前が出てきたことが興味深い。cajasにとって、外部から資本を調達するのは初めてのことだそうだ。日本の新生銀行の例を挙げるまでもなく、再生できるのだろうか。
 逆に、テストで好結果だったのは、バークレイズ。ストレスをかけても、Tier1は13.7%になるという。
 ドイツの銀行は土壇場で、保有するソブリン債の詳細をすべて公開することになった。ただ、それには強制力はなく、ドイツ銀行などは金曜夜の時点で公表していない。

 ストレステストから少し目を転じて。中央銀行ものの話題。
 http://www.ft.com/cms/s/0/b6162cdc-967b-11df-9caa-00144feab49a.html
 一つは、イングランド銀行が弱弱しい経済を活気づけるために、貨幣の供給量を増やそうと議論している話。
 一方、Fedのバーナンキは、リセッションに対して行動する準備ができているという。バーナンキの使った「unusually uncertain」という言葉が広まっている。
 そこで、量的緩和第二弾(QE2)が話題(agenda)にのぼっているという。
 ただ、量的緩和により、国債市場や株式市場が第一回目のときのように反応しない、という見方がある。
 量的緩和を再スタートすると、まずは国債金利が低下する。これは昨年3月の量的緩和と同じ。このとき、Fedは1兆7500億ドルの国債モーゲージ&エージェンシー債を購入。イングランド銀行は2000億ポンドの英国債を購入した。
 しかし、こうした中央銀行の行動でインフレーション圧力が高まると市場が考えると、金利は上昇し始めるだろう。
 現状ではデフレ懸念の方が強い。その結果、米国債金利は低下している。しかし、QE再開でその心理は転換するかもしれない。
 米国より経済の規模が小さい英国の場合、リスクはより大きい。それは英国ポンドが米ドルのような基軸通貨でないだけではない。QEによって、英国債のトリプルA格付けへの関心が高まる可能性がある。
 短期債の金利英米とも記録的な低水準になっている。UKの第2四半期のGDPは前四半期より1.1%上昇し、予想よりよかった。金利先物市場の予想も、二番底というより景気回復を織り込んでいる。米国の場合、市場の予想はやや複雑だ。
 ただ、先週のバーナンキ公聴会で、QE2の可能性を否定しなかった。米英ともに、QE2はlast resortであり、