英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

米国の雇用情勢

 天気は曇り。九州地方は豪雨で行方不明者が出ているという。
 このところ、見ごたえのあるスポーツの試合が続いている。
 ひとつはウインブルドン。昨夜の女子決勝は、セリーナ・ウィリアムズの圧勝に終わった。
 ワールドカップサッカーは準決勝のメンバーが出揃った。スペイン対パラグアイも劇的な結末。ガーナとウルグアイ戦もそうだったが、二転三転のゲーム展開は実にドラマチックだ。

 昨日のロシアスパイの件だが、結局スパイは何を盗もうとし、何が盗まれたのだろうか。この種の事件は性格上、正確な事実が分からない。
 
 さて。
 米国の雇用情勢は悪化し続けている。
 http://www.ft.com/cms/s/0/94b1a8fc-85d0-11df-990c-00144feabdc0.html
 労働力に関する統計は、経済のコンフィデンスを測るのに重要な指標である。金曜日(7月2日)公表のデータによると、6月の新規雇用は緩慢な改善にとどまった。しかし、失業率は改善している。5月の9.7%から6月は9.5%に低下した。秋の中間選挙を控え、政治的な争点に浮上しそうだ。
 金曜日の雇用統計に触れた同種の記事。
 http://blogs.ft.com/money-supply/2010/07/02/the-good-the-bad-and-the-ugly-of-the-jobs-report/
 12万5000人の雇用が失われたが、これは政府による一時的な雇用の期限切れに伴うもの。民間部門は8万3000人の雇用を創出した。
 この春に、経済がよくなると思って多くの米国人が仕事を探し始めたが、いまや再び失望に変わりつつある。これがNY株価の下落にもつながっている。

 スイスフランに関するビジネスウイークの記事(そういえば、雑誌もいつの間にかbloomberg businessweekに変わっていた!)。
 http://www.businessweek.com/news/2010-07-02/snb-may-punish-speculators-by-resuming-franc-action.html
 スイス中央銀行スイスフラン高で、マーケットとの戦いを再開しようとしている。6月17日以降、スイスフランカナダドルや米ドル、円と比べてももっとも対ユーロで上昇。節目となるのは、1ユーロ1.3フランという水準のようだ。
 スイスは輸出主導で経済回復を果たしてきた。スイスフラン高はその勢いに当然水を差す。さらに、SNBは外貨準備をユーロで保有しており、これ以上のユーロ安は外貨準備の損失を拡大させてしまう。しかし、一方ではユーロ圏の財政問題が深刻化すると、スイスフランへの資金流入は続くだろう。
 スイスの2010年の成長率予測は従来1.5%だったが、これを引き上げ2%にした。デフレリスクも後退した。
 しかし、為替介入へのハードルは高いという。外貨準備へのエクスポージャーの高さが、この金融不安定な時期にはリスクとなるからだ。それゆえ、まずは口先介入になる可能性が高い。

 ところで、こうして読んでみると、ビジネスウイークの英語は読みやすい。FTのジリアン・テットの英語は、ひねってあって少し頭を使う。

 アイルランドの財政緊縮策の話。
 http://blogs.ft.com/money-supply/2010/07/02/the-price-of-austerity/
 アイルランドの5月の失業率は13.3%(!)。4月比で上昇した。一方、ハンガリーは高水準とはいえ、改善。EUのUnemployment bulletinをみると、それ以上の国もたくさんあって驚く。ラトビアエストニア、スペインは20%近い。

 次はCalculatedRriskから。
 http://www.calculatedriskblog.com/2010/07/recession-dating-and-double-dip.html
 リセッションと二番底の違いについて。別の記事では、グーグルの検索で、double-dip recessionの検索が増えていると伝えている。

 最後はマーチン・ウルフの少し古いコラムから。クルーグマン論争について。
 http://www.ft.com/cms/s/0/0e151612-4fa8-11de-a692-00144feabdc0.html