英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

遠のく6月利上げ

 今日も晴れ。
 大きなニュースが2つ。
 米国経済は思ったほど強くないようだ。
 WSJより。Hilsenrath記者が6月利上げにFedが尻込みしている、と報告している。経済指標が弱く(いわゆるソフトパッチ)、何人かの委員は利上げのタイミングを再考しているという。3月の雇用統計のみならず、消費者支出関連の指標、鉱工業生産の大幅な落ち込みなど、経済指標の弱さが気になっているようだ。
 ハト派タカ派の中間的な存在だったアトランタ連銀のロックハート総裁も木曜日に講演し、経済関連指標の弱さに言及している。講演後、記者とのやり取りの中で、6月利上げは排除されていないが、彼は望ましいとは思っていない。
 こうした状況はFed内部に落胆を広げている。
 http://www.wsj.com/articles/fed-officials-express-increasing-concern-over-weak-economic-data-1429211738?mod=WSJ_hp_LEFTTopStories
 3月の住宅着工が芳しくなかったことについては、CRも言及している。2月のデータが良くなかったことは、天候のせいにできる。しかし、3月は天候のせいにするわけにはもういかない。
 http://www.calculatedriskblog.com/2015/04/comments-on-march-housing-starts.html
 もう一つのビッグニュースはTPP関連。米国議会はTPA法案の議論に入ることを決めたようだ。上院金融委員会において、共和党民主党の間で妥協がなった。来週にも採決が行われる。
 http://www.wsj.com/articles/senators-expect-to-introduce-fast-track-trade-bill-later-thursday-1429196461?mod=WSJ_hp_LEFTTopStories

英国債券市場の疑問

 英国の総選挙が近づいている。選挙が英国の債券市場を不安定にさせている、という記事。投資家が英国が債務負担にどのように取り組むのか疑問符を突きつけている、というのだ。
 英国の総選挙は今のところ、過半数をとる有力政党はいない見込み。イングランド銀行のデータによると、国際的な投資家は英国債保有を減らしている。2014年初と比較し、140億ポンド落としている。
 http://www.ft.com/intl/cms/s/2/8bc337c8-e206-11e4-bb7f-00144feab7de.html#axzz3XU0LZzHN
 イングランド銀行のデータ出所はこちら。
 http://www.bankofengland.co.uk/statistics/Pages/bankstats/2015/feb.aspx

未来のマクロ経済政策

 IMFのブランシャール局長のブログより。マクロ経済政策を再考する試みの一環である。金融規制に始まり、マクロプルーデンス政策、はては金融政策や財政政策のあり方まで思考は及ぶ。
 たとえば、金融規制。システミックリスクの次元を容易に計測できるのだろうか、という問いかけだ。
 http://johnhcochrane.blogspot.jp/2015/04/blanchard-on-countours-of-policy.html