英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

ペシミズムの傷跡

 晴れ。気温は低いが、肌で感じる空気はそれほど冷たくない。
 米国と欧州との間で協議中の貿易協定(TTIP)。TPP同様、交渉は難航しているようだ。だが、TPPは30回以上も会合が開かれているのに対し、TTIPhaまだ3回しか会合は開かれていない。難航ぶりはTPP以上だ。
 http://www.ft.com/intl/cms/s/0/1f31b9ac-957e-11e3-8371-00144feab7de.html?siteedition=intl#axzz2tWmy17eU
 やや散文的なタイトルだが、経済ペシミズムの永遠の傷跡、と題する投稿。中央銀行界に広がる先進国経済の潜在的な成長に関するペシミズムについて考察している。需給ギャップについて、これはシクリカルなものではなく、パーマネントなものであるという見方が広がっているという。
 http://economistsview.typepad.com/economistsview/2014/02/the-permanent-scars-of-economic-pessimism.html
 http://fatasmihov.blogspot.jp/2014/02/the-permanent-scars-of-economic.html
 元となったFTのGavyn Daviesの記事はこちら。Fed、ECB、そしてイングランド銀行の各総裁による会見がここしばらく続いた。フォワドガイダンスに関する発言はあったが、金融危機前のような明快な政策スタンスは、どんより曇ったものに変質した、と指摘している。つまり、中央銀行家が何を考えているのか。外部からは一般化することはまったく難しくなったと嘆くのである。
 たとえば、イエレン新議長はゲームチェンジャーではなく、政策の継続性のエージェントである、という。
 バークレー校の知的グループたちは、イエレンにレジームシフトを宣言するよう求めている。たとえば、ローマー夫妻やデロング教授たちである。米国経済にショックを与え、2008年以前の成長トレンドに戻せと。
 しかし、イエレン氏自体、それは無理だと考えている。CBOを始め、Fedエコノミストはどうやら、サプライサイドのペシミズムを支持しつつある。つまり、2008年後の低成長はシクリカルなものではなく、パーマネントなものである。
 http://blogs.ft.com/gavyndavies/2014/02/13/a-dose-of-humility-from-the-central-banks/