英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

論争・日本経済

 日本経済の回復策について、米英メディアで口の端に上り始めた。イングランド銀行の金融政策委員会のメンバーだったアダム・ポーゼンは、金融政策だけで十分だとしているが、クルーグマン教授はゼロ金利制約下においては財政政策と金融政策のコンビネーションが必要だと主張している。
 だれの主張が正しいのだろうか?
 エコノミスト誌の論評では、英国と日本を比較した場合、ボトルネックになっているのは財政政策ではなく、金融政策であると指摘する。結論的にはポーゼン氏の主張に賛同し、財政刺激策は不必要であり、不十分であると指摘している。
 検討すべき論点は3つある。一つは低いインフレ期待をいかに変えるか。金融政策の信認にかかわる論点だ。
 2番目は余剰貯蓄を経済に循環させるために、大規模な政府支出の増大が効果があるかもしれないことだ。この場合、政府が国債で資金調達をしても、クラウディングアウトは起きない。
 3番目は、積みあがった巨額の公的債務が日本経済にどのような影響を与えるかだ。
 ここで登場するのが、物価水準の財政理論(fiscal theory of the price level)だ。
 http://www.economist.com/blogs/freeexchange/2013/01/japanese-economy
 アダム・ポーゼン氏の主張は、日本経済の本当の問題は、デフレと円高の是正であるという。
 http://www.ft.com/intl/cms/s/0/15aa8934-5e72-11e2-a771-00144feab49a.html#axzz2IQgzAfj1
 http://krugman.blogs.nytimes.com/2013/01/18/shinzo-and-the-helicopters-somewhat-wonkish/