英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

スイス無限介入

 今日は快晴。朝の風も涼やかだ。使っているスマートフォンの調子が悪い。知らないうちに、電源が切れてしまう。通話料金が高い以外の不満は特にないのだが・・・。

 メルケルはまるで校長先生のよう。ドイツの首相に対するしらけムードは、無理もない。メルケル首相は、想像力を欠き、暖かさや寛容の精神がない、と批判されている。いまや、メルケルの師であり、ドイツをユーロ加盟に導いたヘルムート・コール元首相からも、批判の声があがっている。
 しかし、メルケルを批判するのではなく、ユーロは冷静で注意深いリーダーを持ったと、むしろ喜ぶべきだ、という。
 メルケルドイツ国内でユーロ救済ファンドの増額の違憲判断を控えている。ユーロ共通債も、ドイツ国内で批准されるのには、相当高いハードルが待ち受けている。
 また、ドイツの経済力も無限ではなく、GDP比の債務比率は83%と、フランスやスペイン、英国より高い。
http://www.ft.com/intl/cms/s/0/8c362824-d7aa-11e0-a06b-00144feabdc0.html#axzz1X2H25QDT
 経済の減速懸念を反映し、M&Aのためにプライベートエクイティが調達した債務の売却交渉が難航しそうだ。
 http://www.ft.com/intl/cms/s/0/59a5256a-d7da-11e0-a5d9-00144feabdc0.html#axzz1X2H25QDT
 安全資産への逃避の動きが強まり、ドイツ国債金利は2%を割った。 http://www.ft.com/intl/cms/s/0/4b983354-d7df-11e0-a5d9-00144feabdc0.html#axzz1X2H25QDT
 米国議会は、財政再建を気にしすぎて、肝心の雇用回復、という実際問題に手をつけることができなかった。雇用にもっと目を向けるべき、という主張。
 財政再建から雇用回復へ、主張の力点が徐々に変わりつつある。 http://economistsview.typepad.com/economistsview/2011/09/paul-krugman-the-fatal-distraction.html?utm_source=feedburner&utm_medium=feed&utm_campaign=Feed%3A+EconomistsView+%28Economist%27s+View+%28EconomistsView%29%29
 夜になって面白いニュースがいくつか飛び込んできた。
 一つは、PEのカーライル上場。ブレーキングニュースだ。英語では、global alternative asset managerと紹介されている。上場の狙いは債務返済とその他一般的な会社上の目的としている。公募株数や株価は未定としている。
 http://www.businesswire.com/news/home/20110906006016/en/Carlyle-Group-Files-Registration-Statement-Proposed-Initial
 一方、スイス中銀が、スイスフラン高防止のために、無限介入(unlimited quantities)に乗り出す。 対ユーロでの最低為替レートは1ユーロ1.2スイスフラン。アナリストの中には、為替戦争の引き金になるのではないかと懸念する声があがる。また、スイス中銀の財務を大きく毀損する恐れがある。
 このニュースを聞いて、日銀に同様の行動を求める輩が出てくるだろうなあ。http://www.ft.com/intl/cms/s/0/f5a361ce-d862-11e0-8f0a-00144feabdc0.html#axzz1X2H25QDT
 アナリストたちのコメントとスイス中銀の声明文。声明文は、デフレリスクを反転させるため、と簡潔だが、最後に「further measures」をとることも示唆している。
 http://www.snb.ch/en/mmr/reference/pre_20110906/source/pre_20110906.en.pdf
 http://ftalphaville.ft.com/blog/2011/09/06/670256/snb-euroquake-the-analyst-reaction-part-one/
 スイス中銀が介入で得たユーロは、欧州市場のどこかで運用しないといけない。理論上は、それは、ソブリンと銀行危機に苦しむ欧州市場にとって、天の恵みになる。が、その流動性は、理論どおりには行かず、ECBや他の安全資産に投じられるだろう。具体的な短期の銀行預金かドイツやオーストリア、オランダなどのような健全国の短期債で運用されることになるだろう。
http://online.wsj.com/article/SB10001424053111904537404576554142030622986.html?mod=WSJAsia_hpp_LEFTTopStories